以前、新潟旅行記をしたためた。
海鮮が美味しくて美味しくてどうにかなりそうだった新潟の思い出。
食べまくって食べまくって3キロは太ったが、後悔はしていない。
さて、新潟が食旅行ならば、今回は癒しの旅といったところか。
癒しといえば温泉。温泉といえば箱根。
アラサーにもなると、日常から解放され癒されたくなることが大いにある。東京在住の私にとって、箱根は格好の近場癒しスポット。ついでに小田原でかまぼことかちくわ作りなんか体験しちゃったりして、大いに楽しんできた。
まずは小田原
まずは小田原へ向かう一行。小田原といえば、もう間違いなく小田原城だ。
小田原城
嬉しいことに、綺麗な晴天だった。土曜日に行ったのだが、その日は外国人観光客もちらほら。いつの間にか(前からやっていたのかもしれないが)、小田原城では武将や忍者、お姫様の格好をして写真を撮るというサービスをしていた。こういうの受けそうだなあ。
ちびっこが武将の格好をして、キャーカワイーと言われる中、ちゃっかり武将と忍者の格好をしてノリノリで写真を撮って楽しんでいた私たちもいた。
そして、城には眼光鋭いねこちゃんもいた。ボスか。ボスなのか。日向ぼっこしている。城猫というだけで、なんだか凄みを感じる。
人がそこそこ多かったので、今回は展示を見ず次の場所へ向かった。無理をしないでもまた来ればよいと思えるのが近場旅行の良いところでもある。まあ、ほぼノリノリで写真撮っただけだが。
鈴廣かまぼこ かまぼこ・ちくわ作り体験
小田原駅へ戻った一行。ここからは箱根登山電車に乗った。
箱根登山電車は、箱根湯本を過ぎると切り返しがやたら多くなる。そのため、乗っている方としては行ったり来たりしているように感じるのだが、実際にはどんどん登っているのである。さすが登山電車だ。
今回はそこまで行かずに、箱根湯本より数駅手前の風祭駅で下車。
そこから10分ほど歩いただろうか、あの有名な鈴廣かまぼこのかまぼこスタジオへたどり着いた。
あの有名な鈴廣で、プロにかまぼこやちくわ作りを教わることができるという、かまぼこスタジオ。普段なんとなく食べているかまぼこやちくわって、そういえばどうやって作るんだ?なんて思いつつ、割烹着を着ていざ体験ブースへ。
かまぼこ作り
まずはかまぼこ作り。粘り気のある魚のすり身を、手付包丁という刃のない包丁(ケーキのクリームナイフみたいなもの)で、伸ばして生地をひっくり返して伸ばしてひっくり返して伸ばしてひっくり返して……を繰り返して生地を練っていく。
これ、最初やたら難しい。包丁の片面は汚さないようにとか注意を受けるのだが、そもそも練り上げられていない生地がくっつく。しかし気持ちだけは職人そのものに包丁を握り作業を繰り返した。
次のステップは、かまぼこ板へすり身をのっける作業。一気にすり身をのせ、プロはいとも簡単に成形していく。あっという間に美しい半円型に。わーお、さすがプロ。私といえば、なんとか生地をのせたはいいが、成形の際に、やたらぺったぺった鳴らしながら不格好なかまぼこが出来上がった。
これに熱を通し一日置くようだ。これは家へ送ってもらうことにした。
ちなみに私は今までかまぼこといえば「桃色と白色のオーソドックスなあれ」をイメージしたものだが、今回色々なものがあることを知った。その名もオードブルかまぼこ。
えびと枝豆、いちじくとチーズ、あなごとゴボウなど。
私などはこの組み合わせに思わずじゅるりと涎が出そうである。
ちくわ作り
かまぼこを作り終えた私はとりあえず手が魚のにおいなのだが、ここから間髪入れずちくわ作りが始める。さっき見た魚のすり身がまた目の前に置かれる。
あれ?かまぼことちくわって原料一緒なの?と思ったところで説明が入った。
「ほぼ一緒です。」
ほぼ。ほぼってなんだ。どう違うんだと思ったが、企業秘密なのかと思い直し、作業に入る。先ほどと同じように練ったところで、今度は竹棒に巻き付ける作業。さすが竹輪というだけある。
心を無にして超小刻みに包丁を動かしながら竹の棒を回して巻き付けていく。
くるくるくるくる。
そうして巻いたちくわを焼き器まで持っていく。
あとはお姉さんが赤い持ち手のところを回しながらたくさんのちくわを焼いていく。美味しそうな匂いが漂う。この匂いだけでビールいけますな。
焼きあがったちくわはその場で食べることができる。
ちなみに左から2番目のプロ顔負けの出来栄えのものは私が作った。ちくわ巻きなら任せろ!と調子にのったところで、またこの味が美味しいのである。
出来立ての香ばしい香りと共にちくわを口に運ぶと、熱々で弾力がすごい。噛むとジューシーな魚の味が口いっぱいに広がる。ビールほしいですな。
こういう体験ものが好きな人にはかなりお勧めの場所だ。家族連れもカップルも皆楽しそうだった。もちろん私たちも非常に楽しんだ。
いざ箱根
登山電車で箱根湯本駅まで向かう。
電車の一番前の車両で、車掌さんの運転姿が見える窓から線路を見るというはしゃぎっぷりで駅へ着く。
仙石原温泉 仙郷楼
駅からはバスで宿へ向かう。少し疲れたなあなんて思ったところで宿に到着した。
この仙卿楼というところはお庭付きで、こりゃあ散歩せずにいられないぜ、なんて思いつつ部屋に荷物を置く。そして早速温泉へ向かった。
温泉大好きな私は、ご飯食べる前に温泉、ご飯食べた後に温泉。早起きして温泉。散歩して温泉。という位温泉を満喫する。
大涌谷からの源泉かけ流し。白く濁る温泉。気持ちいいのなんのって。
夜はもちろん宴会
雛祭りをかたどった前菜がかわいらしかった。
せっかく箱根に来たので箱根ビールも良いのだが、今回の私のご飯のお供はワインにした。ボルドーの白といえばソーヴィニヨン・ブラン。セミヨンとのブレンドだった。すっきりしていて飲みやすい。さすが和食とよく合うワインだ。
新潟で楽しんだばっかりだが、また海鮮を味わってしまった。幸せな肥え方である。
そうしているうちにドン、ドン、ドーン……と窓の外から音が聞こえてきた。
花火だ。
冬の花火というものはオツなものだ。枯れた心にも花が咲くってもんだ。
そうこうして宴会も終わり、いそいそとまた温泉へ向かう私なのだった。
朝の散歩も欠かさずに
温泉も食も楽しんだ私だが、まだ楽しんでいないのが、庭園である。朝の早起きは意外と苦ではないので、ちゃっかりまた温泉に入った後、ひとり散歩へ繰り出した。
この日も快晴。何をかくそう私は結構な晴れ女だ。気分よく散歩をしていたところで、
たぬきみっけた。なんかポケモンみたい。
ちなみにその5メートル圏内には、
またまたねこちゃん。
この2匹、一緒に行動しているのだろうか?
それともお互い我関せずなのだろうか。
なんにせよ、あまり邪魔するのも無粋なので、庭園の散歩道を進む。
さすが箱根というだけあり、美しい景色だ。
ここにいるだけで心が澄んでいきそう。そんな気持ちになりながら散歩を終えた。
すきっ腹の私に待っていた朝ごはん。ボリューム多いけど、これがまた美味しい。苦手なイカも温泉卵もぺろりと食べられた。
旅を終えて
こうしてこの後電車に乗り旅を終えた私だが、かなり満足できたことは言うまでもない。たっぷり癒され、たっぷり楽しみ、たっぷり自然を満喫した。まさに、アクティブに動いて損なしの旅。
実は毎年箱根には行くのだが、毎度違う楽しみがある。昨年は寄木細工コースター作りをした思い出がある。ガラスの森美術館なんかも綺麗だった。
何度行っても飽きないのが箱根。きっと来年も行く箱根。
近くに行くことがあれば訪ねてみようよ、箱根。