右手にはワインを、左手にはビールを。- そそぐTV -

食の世界に魅せられて。美味しい料理やお酒が好きなアラサーです。 「食のエンターテイメント」を、皆さんと共有出来たら良いなと思います。

熟成できるボジョレーヌーボーもご紹介!2017年は11月16日解禁!

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そろそろ9月も終わりに差し掛かるこの頃。酒屋は勿論、スーパーやデパートでも「ボジョレーヌーボー予約開始!」の文字が並ぶようになった。

ボジョレーヌーボーといえば、毎年11月の第三木曜日(今年は11月16日)、ブルゴーニュのボジョレーで作られるブドウから、その年のブドウの味を確かめるために速攻醸造の手法を用いて作られる新酒である。

ボジョレーヌーボーの4割以上は日本に輸入されているというほど、日本人は確かにこのイベントが好きだ。新酒というだけで持て囃されて、熟していない酒を楽しんでいる、なんて見方もされているようだが、随分と嫌味というか、上から目線というか。

いいのいいの、楽しければ。

熟成ワインの奥深さや、まさに極上……!というような美味しさを知っていたとしても、それと新酒を、なぜわざわざ比べる必要があるだろうか。

 

「たまには若い子の味が欲しくなるじゃない?」

 

というかそもそも熟成できるヌーヴォーだってあるのだぞ。

今回は、そんな少しの反抗心を持った元ブルゴーニュワイン専門店でそれはそれは色々なものを飲み比べたオイシイ経験を持つ、とあるアラサーさんが、今年のヌーヴォーの楽しみ方なぞを記事にしてみようと思う。

 ボジョレーヌーボーって?

近年ワインの消費量も増え、またここまでボジョレーヌーボーが親しまれてくると知っている人も多いとは思うが、軽くおさらいしておくと、フランス・ブルゴーニュのボジョレー地区で、ガメイという品種を使い、早期醸造できるマセラシオン・カルボニック法という方法でボジョレーヌーボは作られる。

ブルゴーニュと言えばピノノワールやシャルドネで、長期熟成タイプの極上ワインが立ち並ぶ地方で、その美味さにメロメロになるオタクが続出(まあ私もその一人だが)……。有名どころのロマネコンティやモンラッシェ、ロマネサンヴィヴァンなどは数万円は当たり前。

ちょっとやそっとじゃ手が出せない、そりゃあオタクも増えるわけだ……

なんて偏見はさておき、そんなブルゴーニュにあるボジョレー地区の新酒、ボジョレーヌーボーはピノノワールではなく、ガメイを使ったワインなわけである。そして、長期熟成ではなく、あくまで早飲み用なわけである。

作り方について詳しく知りたければ、かなりきめ細かい説明がなされているこのブログから見るのがおすすめ。

yumewine.exblog.jp

そんなわけで、タンニンが少なめでも色濃く、苦さや渋さが少ないフレッシュな味わいに仕上がるのである。

おすすめ生産者のヌーヴォーと飲み比べ

と、いうことで、早速イチオシワインをお伝えしたいのだが、先に断っておくと、本当に美味しいボジョレーヌーボーは増えたと思う。単純にレベルは上がっている。純粋に楽しむためのものなら、大手メーカーが輸入しているボジョレーだったらまずハズレはないだろう。

ヌーヴォーを気軽に楽しんでほしいという気持ちももちろんあるのだが、どうせ自分が勧めるなら、死ぬ前に一度は飲んでほしいシリーズとして、2つほどワインを紹介したい。

 

①ドメーヌ・デ・ニュグ ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー

パリの一流レストラン、タイユヴァンのプライベートワインを12年連続で任されたプロ信頼の作り手、ドメーヌ・デ・ニュグ。

「ヌーヴォーを超越した」なんて言ってしまえば陳腐になるが、その旨味と果実味はボジョレーヌーボなのかと疑いたくなるほど。毎年毎年、こんなに高品質なワインを作り続けられるのは素直に凄いとしか言いようがない。
当主であるジェラン氏は、自分のワインを「本物のボジョレーヌーヴォーを味わって下さい」と、自信があるからこそ勧める。一流のレストランに選ばれる作り手は伊達ではない。「フィネス」や「ミネラル」という言葉とは縁がなさそうなボジョレーヌーボーを見事に覆したのがこのワインなのである。

 

②フィリップ・パカレ ボジョレー・ヴァン・ド・プリムール

「熟成しても楽しめそうなボジョレー」2つ目が、このパカレのワインである。

天才ともいわれる彼は「ガメイはエレガントな品種」と称し、ガメイ種を決して見下したりはしない。自然酵母のみで発酵させていて、繊細な味わい、きめ細やかな飲み口で、新酒なの?と言わせてしまう力がある。

ブルゴーニュ好きは、おそらくこのワインをかなりお気に召すのではないかと思う仕上がりで、こちらもぜひ試してほしいワインの一つである。

 

 

これらのワインは、飲めば絶対に作り手自身がこだわりを持ち、自信をもって提供していることが分かる。穿った見方をしている人にほど提供したくなるこの気持ち、ここで爆発させてしまうのである……。

 

あと私が勧めるべくはやはり飲み比べ。

以前書いた記事でもそうだが、私は比較物があってより理解が深まるものだと思っている。ワインだけでなく、ジュースもビールも飲み比べてしまう性分だ。

www.cheers-winebeer.club

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ボジョレーヌーボもこれに漏れず。

全部味が同じと思ったら大間違いだ。味の濃さに驚くものもあれば、味の繊細さに驚く代物もある。断言できるが、これは飲み比べないと絶対にわからない。

飲み比べのセットは通販がお得なのは間違いないのだが、酒屋の店頭に行けば、売っているヌーヴォーすべて試飲できる店もある。

このご時世、小売店の強みといえば、やはり試飲にかかってくる。そこで生まれるお客さんと店員さんとのちょっとしたやりとりから生まれるストーリーなぞは、私は割と好きなので、昔どちらの業界にも携わった身としては、酒屋に行くことが好きだったりするのだが。

解禁日にちょっとしたパーティやワイン好きの家族などが楽しむのであれば、数本単位で飲み比べられるので一番楽しいのだが。以下のワインはかなり高品質な飲み比べが楽しめると思うので、興味があれば見てみてほしい。

売り手側ならではのボジョレーヌーボーの思い出といえば

せっかくなので少しだけ昔の思い出も書き記しておこう。

予約を取ってくれたお客様へワインが解禁日に届くようにするには、当たり前だがそのワインはすでに解禁日前から入荷されているわけである。そして、ブルゴーニュワイン専門店だからこそ、その入荷量はもう、、、とんでもないのである。また、もし予約注文量とほぼ同量しか発注していないとすれば、万が一にも割ることは許されないのである。注文量が多い×割れないプレッシャー×素早い対応は、かなりの神経が注がれたものだが、それもまた懐かしい話の一つ。

 

今は飲む側として毎年11月を楽しみにするばかりである。

 

おしまい

 

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