寒さもやっと薄れてきたこの頃、やっと外出にも行こうかなあという気持ちになってきた。そんな時に行きたい場所といえば……そう、温泉である。身体が芯からあたたまり、美肌にもなり、普段のストレスが一度に解消される、私は温泉が大好きである。
夏は虫がいてあまり露天風呂に入れない私でも、この時期ならそんな心配もない。
ということで、思い立ったが吉日、一人ではなんだからと、私と同じおっさんの空気を醸し出すアラサー女性たちと箱根に行き、非常に盛り上がって帰ってきたのである。
うまい食事とうまい酒。酒を入れるグラス作り体験やマッサージに温泉……。
心も身体も最高にリフレッシュすることができた。プチ贅沢とはまさにこのこと。箱根はなにも温泉だけではないのである。今回はそんな贅沢した体験をしたためていく。
そういえば、大学4年生の妹はもうすぐ卒業旅行へ行くと言っていたなあ。。。そんな社会人前のお年頃の子も、美景あり美食あり美肌ありのこの旅は結構おすすめである。
まずは美景を!箱根登山列車
さて、箱根といえば「登山列車」だ。皆さんは登山列車に乗ったことはあるだろうか? 長い旅路をスイッチバックという、線路切り替えをしていくことで、同じ方向に進むと思わせながら高度が下がったり上がったりしていく登山道を行く列車の事である。
景色は高度が高くなるにつれ、いわゆる山景色というものが広がってゆく。もっと葉が少ないかと思ったが、何とも美しい景色だった。
それにしても、登山道の途中に民家をいくつも見つけたが、彼らはどうやって学校や会社に通っているのだろうか。やはり、車やバスだろうか……。一度車で箱根に訪れた時は、霧が覆ったことがあり、随分怖い思いをしたものだが、ここに住めば運転技術は有無を言わさず上がりそうだ……そんなことを考えながら、今度は車内に目を移してみると、あの有名な寄木細工柄のカバーが椅子に張られていた。
さ、さすがは箱根……!!
寄木細工柄はなかなか渋くて良かった。
そうこうしているうちに強羅に到着した。強羅駅は標高541メートルだそうだ。登山電車に揺られていたら、あっという間にこんな高いところまで来てしまった。
この駅には鐘をつくことができる場所があり、思いっきり突いてみたいなあなんて思いつつ歩いていると、そんなことをする間もなく、いきなり奇声を上げて友人が走って行った。一体何なのかと思ってその先を見てみると、待ち望んだ温泉が。
すっかり冷えていた私たちは、我先にと手をつけてはしゃいでいた。
こちらはちょっとしたお土産屋の横にあったものである。実に強力な客寄せだ。
しばらく歩くと、箱根強羅公園という大きな公園があるのだが、ここは、強羅に来たなら絶対に行ってほしい、お楽しみスポットなのである。
箱根強羅公園でサンドブラスト体験
さて、この箱根強羅公園は、ただの公園ではないのである。園内は広く、熱帯植物園やハーブ館、庭園も美しいのだが、気軽に茶席が楽しめる茶室や、色々な体験教室ができるクラフトハウスがある。特にクラフトハウスは、吹きガラスや、ろくろもしくは手びねりでの陶芸、とんぼ玉作り、サンドブラスト、ドライフラワーなど、色々な体験教室があり、迷ってしまうほどである。
悩んだ挙句、私達はサンドブラスト体験をすることにした。
サンドブラストというのは砂を研磨剤として、ガラスなどに吹き付けることで加工する方法のこと。吹き付ける作業自体には技術が必要なため、グラスを選んで、100種類以上のモチーフからデザインをして、あとは専門の人に任せるといった感じである。
無地のグラスにデザインをして、砂(サンド)を風で飛ばす(ブラスト)ように吹き付けて、デザインした部分をすりガラスにするという。
ということで、早速グラスの色や形を選ぶ一行。最初のグラスを選ぶだけでも悩ましい。形はオーソドックスなタンブラーや、ショットグラス、ゴブレットなど、様々な種類があり、色も赤や青、緑や白、オレンジ……挙げればきりがない。
次に、デザイン作りである。先ほど挙げたように、モチーフは100種類以上。どのようにデザインしていくかというのは、実に創造性を問われるものである。
モチーフには、草花や動物や昆虫など非常に多様で、中にはドクロなどの奇抜な柄もあった。
使用するモチーフはシールになっており、モチーフを決めた後はどんどんグラスに貼り付けていくという作業になる。このシールの 貼っている部分だけクラスが削られていくのである。
下の写真のように、なんとなく下絵にモチーフをどのように貼っていくかというアタリを付けておく。
そして、無地のグラスに……
どんどん貼っていく、貼っていく、貼っていく……
グラスはテープでぐるぐる巻きになった。
写真を見るとあっけないが、ここまで来るのに軽く30分はかかっている。
そうして全員出来上がった後、店員さんを呼ぶと、サンドブラストの専用の機械に持っていかれ、30分後以降にまた来てほしい旨を伝えられる。
ということで、しばし熱帯植物園を楽しむことにした。
30分楽しむにはちょうど良いくらいのコースである。
戻ってみると、すでにグラスは出来上がっていた。
アラサー女子四人が集中して集中して 集中して出来上がったものが、こちらである。
一人でやるより、誰かと来て一緒にやる方が、かなり個性が出て面白いのでお勧めだ。
ちなみに値段は、グラスが2000円からで、シールが、一枚100円からである。大きなシールを使った場合は少し料金が高くなる。なんだかんだで4000円位の値段にはなっただろうか。
風祭で美食体験!イチオシの鰻の店
さてさて、体験教室を楽しんだところで、昼過ぎ位の時間に。そろそろ小腹がすいたころである。
私達一行は、友人イチオシという鰻屋、友栄に行くことに。
実はこの友栄という店、かなり有名なようで、事前予約はほぼ必須だそうだ。
正直最初は、箱根でわざわざ鰻食べるの?と思ったのだが、「絶対後悔しないから!!!」という言葉のもと、風祭駅にある鰻屋へ向かった。
強羅が標高541メートルであるのに対し、風祭は標高36メートル。随分下ってきたものだ。お腹はもちろんペコペコである。
そして、10分程度歩いたところに友栄を発見。その日は雨だったため、そんなに混んでいなかったが、受付からいい匂いがぷんぷんと漂っていた。
すでにヨダレが口内に。
席に座ると鰻の箸置きが。センスが光る素敵な箸置きである。
ここには鰻だけでなく、天ぷらやアワビ、イチジクの西京味噌がけなど、美味しそうなつまみが沢山。鰻を待っている間、メニューを見るのも楽しくて仕方がない。
今回一緒に旅をしているのは、おっさん系アラサー女子4人組。全員が酒飲みで、一人一人日本酒を頼むというおっさん具合である。
つまみには鰻の肝……!!!ここに来たら絶対に食べてほしい。日本酒に合う~~~合う~~~~合い過ぎるのである……。
味付けは2種類。
ワサビとタレである。当たり前のように、両方頼んだ。
肝本来の上品な苦味とまろやかさの中に、ピリッとした辛みが引き立つワサビの味付けか、もしくは濃厚ながらも肝の味の良さを殺さないタレに、新鮮な卵の黄身をからめて滑らかながらコクのある味付け……
つまり、「どちらも頼む」のが大正解なのである。
異論はないはず。食べたらわかる。
そうこうしているうちに、今回のメインディッシュのうな重が登場。
ここの鰻は、一般的な鰻のサイズより約1.5倍ほど大きいそうなのだが、だからといって大味かというと、それが全く違う。
かつて、こんなにコクがあって箸が止まらない鰻はあっただろうか。
いや、ない。
どちらかというと鰻はあまり得意ではなかった私でさえ、美味しくて美味しくて食べ終わるのが本当に勿体ないと感じたほどである。
見てほしい、この身の肉厚さを。
それでいて味わい深く、ちょうど良いタレの濃さが、箸を止められなくしてしまう。連れも私も無言であっという間に食べ終わってしまった。
〆は肝吸い。肝の風味がほのかに溶けた優しい汁の味わいと、引き締まった肝。非常に贅沢な食事であった。
もう一度言う。
箱根に行くなら、友栄の鰻をぜひ食してほしい。
日帰り温泉とマッサージ!夕方から終電まででも十分楽しめる天成園
さて、遊びも食も満喫したところで、あとのお楽しみといえば温泉&リラクゼーションなのである。今回は終電のロマンスカーで帰ることが決まっていたので、日帰りで楽しめるところを探したところ、天成園という場所が良さそうだということになり、早速向かうことになった。
23時間営業・日帰り温泉・箱根湯本のホテル・旅館|天成園[公式]
ウキウキしながら浴衣を選んだのもつかの間、すぐさま温泉に浸かり、1時間はゆったりしただろうか。こんな季節なので空気も澄んでおり、とても月夜が綺麗だったのを良く覚えている。
リラクゼーションも充実しており、手もみほぐしから足つぼマッサージ、アロマエステやバリ風エステ、タイ式マッサージや韓国式の垢すりまで種類は豊富。一人ひとり好きなコースを存分に楽しんだ。
そんなこんなでお肌はつやつや。元気も十二分である。
帰りは缶ビールと笹かまを買って、ゆったりとロマンスカーに乗って帰る。
そんなところがおじさん臭いのだが、最後まで本当に楽しい旅だった。
これから箱根に行く人にも、ぜひ温泉だけでなく、遊び&食&リラクゼーションを尽くして欲しいと思う。