らむこのこらむ~右手にはワインを、左手にはビールを。~

食の世界に魅せられて。美味しい料理やお酒が好きなアラサーです。 「食のエンターテイメント」を、皆さんと共有出来たら良いなと思います。

渋柿を美味しく食べるための実験~Final~

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あれは2018年クリスマス目前のこと。

某有名キャラクターやヒット商品のデザインを数々手掛けている人気デザイナーさんから、ダンボール箱いっぱいの柿、、、

それも

「渋柿」

が送られてきた話をした。

 

今でも思い出すと口の中がイガイガする……

 

( ↓ 前回のお話はこちら ↓ )

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 中に入っていた手紙には、挨拶もそこそこに、干し柿のレシピが。

わざわざレシピと共に渋柿が送られてきたということ、これはまぎれもなく私への挑戦状である。その挑戦状をしかと受け取り、さらに干し柿以外にも渋柿の美味しい食べ方を研究するため、私は2019年の年始から奮闘していた。

 そもそもなぜ渋柿は渋いのか

渋柿がなぜ渋いのか……これは非常に単純な話で、渋柿の渋味は、ワインにも緑茶にもある、あのタンニンが原因である。

柿にはカキタンニン(可溶性)が含まれており、唾液に溶けることで渋味を感じているのだが、これを不溶性にすることにより、唾液に溶けず、渋味を感じさせなくする=渋抜きするということ。つまり、渋「抜き」という言葉を使うとはいえ、タンニン自体はずっとそこにあるのである。

ところで、渋柿を食べた時に痛烈に感じたのが、

タンニンって、程よく苦いから美味しく感じるのだなあ……

ということ。

何も知らずに水を含んだ時の絶望感といったらもう。

とりあえず、渋で口固まった。 

渋柿の渋抜き方法

さして効果がなかったのは「冷凍」

まずは手軽なところから、冷凍する方法を試してみた。

冷凍することで可溶性タンニンが変化して渋味が抜けるというネット情報を頼りに、一度冷凍してから、二日ほどして解凍して見たのだが、

んんんんん、渋い。

そして冷凍されているから固いのだこれが。

私といえば小さいころから知覚過敏なもんだから、冷たくて固いものにはめっぽう弱い。

染みるんだこれが。

そして渋い。。。

冷凍⇒解凍⇒冷凍⇒解凍……というように繰り返すと良いということも書かれていたので試したのだが、さして変わりがない。

そのたびに染みていた私の口内。

私の口の死活問題である。

諦めて他の方法を試すことにした。

二日酔いに効くらしい

次に目についたのがドライアイスを一緒に入れる方法とアルコールにつける方法。タンニンの不溶化は、アセトアルデヒドとの結合によって起こるため、この二つの方法が有効なのである。

この「アセトアルデヒド」という文言、酒飲みならすぐピンとくるだろうが、早い話が二日酔いの原因の一つだとされているもの。酒を飲むと、肝臓がアルコールを分解して、無害な酢酸へと代謝しているわけだが、その際に生じるアセトアルデヒドが、あの辛い頭痛等を引き起こしていると言われている。

私はこの話を聞いたとき、「タンニンは不溶化されて苦くなくなるかもしれないけど、頭痛くなるんじゃないの?」という疑問が浮かんだのだが、そうはならない。

というのも、柿はこのアセトアルデヒドと結合したのち排出してくれる作用があるのだ。つまり、実は二日酔いにも効く食べ物らしい。

 

ふーんと思ったところで話を戻し、、、

ドライアイスでなぜアセトアルデヒドが出るんだ?と思った私。

渋が抜ける過程を調べてみると、ドライアイスで炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させることにより柿の呼吸を止め、柿の中でアセトアルデヒドを生成、タンニンと結合し不溶化するということだった。

大体4~5日で抜けるらしく、まあまあ手軽だなあと思ったのだが、ドライアイスわざわざ買うのはなあ……ということと、ドライアイスは水を入れて楽しむものであるという持論があるため、この案は却下。

やはりというか、、、

アルコールと合わせたわけである。

渋柿ワインアイス

アルコールで渋抜きする方法としてよく知られているのは、焼酎などのホワイトリカーをヘタに浸して2週間程度密封する方法。

それが確実なのは知っているのだが、どうにかして新たな境地を開拓したいので、私は敢えてタンニンのあるワインで煮沸したわけである。

 いやいやいや、、、タンニン抜くんやろ?

というツッコミも受けそうなものだが、タンニンにはタンニンで迎え撃つなんだか美味しそうだからやってみたわけである。

ちなみに、タンパク質と結合することでも渋抜きが出来るということで、牛乳も投入。これを、先ほどはあまり効果がなかった「冷凍法」と組み合わせれば、もしかしたら美味しいのが出来るかもしれないと考え、多少の砂糖を足し、アイスにしてみることに。

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煮て、漉す。

そして固める。

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んんんんんんんん、、、

渋味は多少抜けて、多少美味しくなったような気がしなくもない。正直さっぱり食べられて、悪くない。

だがしかし、ここでも知覚過敏が発動。

とうとう干し柿を作ることにしたのである。

結局、、、王道干し柿 

ということで、いくつかの方法を試したが、今のところ綺麗に渋が抜けたと思ったものはなかった。結局のところは干し柿が一番美味しいのかな?と思いつつ、レシピをもとに干し柿づくりに励んだ。

①皮をむいて10分煮る。

この写真ではお湯に実が浸かっているが、ヘタの部分を煮ればいいらしい。

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②水気をしっかり拭く。

ここでしっかり拭かないとカビの原因になるので、とにかく丁寧にキッチンペーパーで拭いた。

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③干す!

ヘタの部分に荷ひもを括り付けてハンガーに縛った。あとは 2日おきくらいに、ヘタの部分にジンを霧吹きしてみたり。

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雨の日は部屋干しだったが、2週間のうち結局雨は2日位。天気予報を気にした日々だったが、冬に干すのは正解だったようだ。

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 そうして2週間が経ち……

 できたのがこちら。

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正直とてもうまくできたと思うんだ。。。

昔の日本ではお茶菓子として出されるくらい甘くて美味しい干し柿。上品な甘味で、綺麗な照りが出ている。こうして文章にするとあっという間なのだが、この2週間でもはや愛情さえ生まれている。美味しさも一入だった。

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さらに、柿タンニンにはワインの20倍ものポリフェノールが含まれているという。

ワイン大好きの私だが、この干し柿をつまみにやれば、見た目は永遠のアラサーでいられるのかも……しれない。

 

 さいごに

ということで、色々な苦労をして美味しい干し柿を食べることのできた私。

私なんぞにできるのかしらん?と思ったものだが、手間暇かけたものが美味しいときの感動といったらない。なんなら来年もやりたいし、渋柿でもいいから種を植えたいと思った位なものだ。

このデザイナーさんには感謝の意と共に、いかに楽しい日々だったか、芽生えた熱い想いを手紙を添えて干し柿をプレゼントした。

実はこの方は60代。平成のもやしっこに大事なことを教えてくれたのかもなあ、なんて考えてみたり。

良い話風になったが、このブログを見ている皆さんにも、機会があれば、ぜひ干し柿づくり、してみてほしいなあと思った次第である。

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