皆様はイスラエルのワインを飲んだことがあるだろうか。
ワインの生産国といえばフランス、イタリア、スペインなどのイメージがまだまだ強いかもしれないが、実はイスラエルも旧約聖書にも記載があるように、数千年以上の歴史を持つワインの産地である。
その中でも、イスラエルのパイオニアとして国際的な評価を受けてきたのがゴラン・ハイツ・ワイナリーだ。ヤルデン・シリーズなど、日本でも一躍有名になったワイナリーだ。
その評価たるや非常に輝かしいもので、ロバート・パーカーがワインに与える点数である「PP(パーカーポイント)」や「WA(ワインアドヴォケイト)」と並んで語られるほどワイン界に世界的な影響力を持つワイン専門誌ワインスペクテーターでは2008年に年間トップ100に選ばれているし、3年後の2011年にはイタリア最大のワイン展である見本市ヴィニタリ―で世界30カ国・1000軒のワイナリーから、その年の最高生産者に選ばれていたり、2012年にアメリカのワイン・エンスージアスト誌では新世界のベスト・ワイナリーに選出されていたりと、まさに折り紙付きの世界レベルの実力があるワイナリーなのである。
今回はそんなゴラン・ハイツ・ワイナリーについて書いていく。
最高責任者であるヴィクター・エンフェルド氏の輝かしい経歴
(写真引用:https://www.millesimes.co.jp/wineinfo/wineinfo-331/)
ゴラン・ハイツ・ワイナリーのヴィクター・ショーエンフェルド氏は、その醸造知識や経験も一流だ。
カリフォルニア大学デービス校で醸造学の学士を修得した後に、非常に著名なカリフォルニアのワイナリーである「セント・ジーン」や、「モンダヴィ・ワイナリー」などでワイン作りの腕を磨いてきた彼。
その後フランス国内で200 年もの歴史を誇る、由緒あるシャンパーニュ・メゾンである「シャンパーニュ・ジャクソン&フィス」に勤務。1992 年にはゴランハイツ・ワイナリーの醸造責任者に就任し、それ以来栽培と醸造に対する一切の責任を担っている。
今や彼はイスラエルワインの品質革命を牽引するワイン作りのプロとして各方面から高い評価を受けている人物なのだ。
ゴラン・ハイツ・ワイナリーの主な受賞歴
(写真引用:https://www.millesimes.co.jp/wineinfo/wineinfo-331/)
ゴラン・ハイツ・ワイナリーのワインたちは、世界各国の受賞歴も非常に多いので、軽く紹介していきたいと思う。
2008年 ワイン・スペクテーター年間トップ100選出
※イスラエルのワイナリーでは初選出されている。
2011年 イタリア国際品評会ヴィニタリー『グランド・ヴィニタリー』受賞
※こちらは最高生産者に贈られる賞で、スペイン、フランス、イタリアを含む 30 ヵ国 1000 軒のワイナリーより選出されたもの。
2011年 シタデル・デュ・ヴァン『グランプリ特別賞』授与
※1000 種のワインをブラインド試飲した中から選出されたもの。
2012年 ワイン・エンスージアスト誌『2012 ニュー・ワールド・オブ・ザ・イヤー』授与
※ワイン愛好家から業界人まで幅広い方面に影響力のあるアメリカのワイン評価誌が発表した、世界で最もお値打ちなワインのランキングのニューワールド部門の入賞。
2015年 イスラエル国際ワイン品評会テロヴィーノ『ワイナリー特別賞』受賞
2017年 ムンドゥス・ヴィニでヤルデン・カベルネ・ソーヴィニヨンが『ベスト・オブ・ショー・イスラエル』受賞
2019年 ムンドゥス・ヴィニでヤルデン・カベルネ・ソーヴィニヨン 3 ヴィンテージ連続金賞、ヤルデン・メルロ2 ヴィンテージ連続金賞、ヤルデン・ソーヴィニヨン・ブランが 3 年連続で金賞を受賞
※ムンドゥス・ヴィニは国際的なワインの品質を高めることを目的としたインターナショナルなワインコンクール。毎年、ドイツをはじめ、イタリア、フランス、スペインなどの生産者がコンクールに参加している。
2020年 シタデル・デュ・ヴァン金賞4つ、ヤルデン・カベルネ・ソーヴィニヨン 2016「地中海で最も優れたカベルネ・ソーヴィニヨン」に贈られる『ソムリエ・インターナショナル特別賞』を受賞
※シタデル・デュ・ヴァンはフランス・ボルドーで開催される国際ワインコンクールで、「OIV(国際ブドウ・ワイン機構)」の後援のもと、1992年にフランス・ボルドーで創設された。OIVが推薦するエノログ(ワイン醸造技術管理士)をはじめ専門家が審査を行っている。
受賞ワイン紹介
ヤルデン・カベルネ・ソーヴィニヨン
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紅茶やスパイスの風味が香る、クリーミーで凝縮感のあるフルボディのワイン。
イスラエル航空のファーストクラスでもサーブされており、凝縮感のあるフレーバーと余韻の長い後味を持つクラシックなカベルネ。
ヤルデン・メルロ
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メルロらしいエレガントなフルボディの包容力のある円やかな味わい。よく熟れた赤果実や黒果実のアロマが、オレンジピールや大地の香り、フレッシュなハーブのニュアンスと共に表現力豊かに香る。味わいは、リッチで風味豊かなフルボディ。メルロの卓越したクオリティを見事に体現したクラシックなメルロ。
ヤルデン・ソーヴィニヨンブラン
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グアバやパイナップルなどの果実の香りが感じられ、心地よくミネラリーな後味が広がる、ミディアムボディの風味豊かで爽やかな味わいの白ワイン。
オリエンタルランドでの採用経験も!
(写真引用:https://www.millesimes.co.jp/wineinfo/wineinfo-331/)
予約必至のディズニー・シーの高級レストラン「マゼランズ」。誕生日や記念日などの特別な日を過ごす方も多く、ワインやカクテルなどのお酒も豊富に取り揃えられている。
その「マゼランズ」のソムリエのおすすめグラスワインとして、実はゴラン・ハイツ・ワイナリーのマウント・ヘルモン・レッドとマウント・ヘルモン・ホワイトが2020年11月から採用されている。
マウント・ヘルモン・シリーズはこのワイナリーのスタンダードクラスで、親しみやすい味わいが特徴でデイリーワインとしても楽しめるコスパの良いワインとなっている。
マウント・ヘルモン・レッド
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ボルドー品種5種をブレンドしており、100%マロラクティック発酵させて無濾過で瓶詰めすることで。赤や黒い果実の鮮やかな果実味にスパイスやハーブのニュアンスが香る複雑味のある味わい。
最高傑作!ヤルデン・カリツン・レッド
(写真引用:https://www.millesimes.co.jp/wineinfo/wineinfo-331/)
さて、最後にご紹介したいのが、ヤルデン・カリツン・レッドである。
ヤルデン・カツリンは、ゴラン・ハイツ・ワイナリーの最高級キュヴェであり、1990年の初回ヴィンテージ以来、傑出した年にのみ生産されるボルドーブレンドのプレミアム・ワインだ。
ゴラン・ハイツの醸造哲学とヴィジョンの集大成であり、完璧を追求する作り手の拘りが細部まで光る作品となっている。
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このワインはなんと15~20 年もの熟成が効く長期熟成タイプで、黒と金色の専用箱が付いており、シックで特別感もある。
魅惑的なアロマがオレンジピールやチョコレート、土やハーブ、花やスパイスの心地よい香りと共に表情豊かに溶け合うスペシャルキュヴェ。フルボディで複雑味のある凝縮した味わいが極めて余韻の長い後味を楽しむことが出来る。
人気の為日本に入ってきてもすぐ売り切れてしまうほどのこのワイン、もし出会うことが出来たら幸運極まりない。
その他にも様々な品種のワインが作られているゴラン・ハイツ・ワイナリー。ぜひこの機会に試してみることをお勧めする。