皆さんは、パテドカンパーニュは好きだろうか。美味しい肉料理で、濃厚でリッチな味わいで、ワインにも非常に合うあの料理。よくビストロやワインにこだわっている居酒屋さんのメニューには置いてあるが、アレって、いったい何が入っているのかしらと思ったことはないだろうか。
パテだから、何か色々入ってるのは分かる……が、おつまみを作るのが好きな私でも、パテドカンパーニュは作ったことは一度もない。ということで、せっかくなのでこの機会に知ってみようと思い、今回はパテドカンパーニュについて色々調べてみた。
この記事では、パテドカンパーニュの歴史やお酒との相性、各国でのアレンジ、興味深い雑学、そして自宅で簡単に作れるレシピを紹介していく。
パテドカンパーニュとは?その起源を探る
パテドカンパーニュはフランス語で「田舎風のパテ」という意味を持ち、もともとは農村部で食材を無駄なく利用するために作られていたという。
フランスでは食材を余すことなく使う「トータル・ユース」という伝統が長く続いていて、農民たちは、狩猟や家畜の肉を無駄にしないため、パテやテリーヌなどの保存性の高い料理を生み出した。
豚肉やレバー、ハーブ、スパイスなどを混ぜて型に詰め、オーブンでじっくりと焼いて作るこの料理は、肉の部位を細かく刻んで詰め込むことで、風味がしっかりと凝縮され、冷蔵保存ができない時代においても長期間美味しく食べられることができたのだ。
パテドカンパーニュがお酒に合う理由
パテドカンパーニュは、そのリッチな風味がワインやウイスキーなど、さまざまなお酒とも相性抜群だ。
脂肪分とアルコールの相乗効果
パテドカンパーニュには脂肪がたっぷり含まれているが、この脂肪分はアルコールと絶妙に調和する。パテを口に含むと、脂が舌の上で溶けて広がり、そこにアルコールが絡むことで旨味が一層引き立つ。特に赤ワインのタンニンが脂肪分をうまく中和して、パテの旨味をさらに引き立ててくれる。
また、ビールやクラフトビールともよく合い、泡の爽快感が味を引き締めてくれるので、こちらもオススメ。
スパイスとハーブの風味
パテドカンパーニュに使われるハーブやスパイスの風味は、お酒の香りとマッチすることも相性の良さの理由といえるだろう。
タイムやローリエ、ナツメグなどが使われることでパテに奥深い香りがプラスされ、ワインとの組み合わせで特に芳醇な香りが際立つこととなり、さらに美味しさを感じられるような逸品になるだろう。
各国でアレンジされたパテドカンパーニュ
パテドカンパーニュはフランスを超えて世界中でさまざまなアレンジが生まれていて、各々の国々で手に入る食材を活かし、独自の工夫が加えられている。
豆知識: 各国のユニークなバリエーション
- イタリア: ピスタチオやバルサミコ酢を加えることが一般的。ピスタチオのナッツの風味が加わることで、食感も楽しめる一品に仕上がり、またバルサミコ酢の酸味が全体を引き締める。
- 南フランス: オリーブやドライフルーツを混ぜ込むアレンジが多く、甘味と塩味のバランスが取れた風味になり得る。プロヴァンス風のハーブもアクセントとして加えられることがある。
- 北欧(スカンジナビア): 鹿肉や魚を使ったパテが人気。寒冷地ならではの素材を活かし、スモークした肉を使うこともある。
見た目へのこだわり
パテを層状に仕上げたり、色鮮やかなゼリーで飾るなど、見た目にもこだわったパテが多く見られる。これにより、食べる前から視覚的な楽しみを与え、特別感が増すのだ。
自宅で簡単に作れるパテドカンパーニュレシピ
自宅でもパテドカンパーニュを作って楽しむことは可能のようだ。下記にて初心者向けに、手軽に作れるレシピをご紹介する。
材料(4~6人分)
- 豚ひき肉:500g
- 鶏レバー:200g(粗く刻む)
- 玉ねぎ:1個(みじん切り)
- ニンニク:2片(みじん切り)
- パン粉:50g
- 牛乳:50ml
- 卵:1個
- 塩:小さじ2
- ブラックペッパー:適量
- タイムやローリエ:お好みで
- ブランデー:大さじ2(お好みで)
作り方
- 玉ねぎとニンニクをオリーブオイルで炒め、甘みが出るまでじっくりと炒めて冷ます。
- 大きなボウルに豚ひき肉、鶏レバー、炒めた玉ねぎとニンニク、パン粉、牛乳、卵、塩、ブラックペッパーを加えてよく混ぜます。お好みでブランデーを加え、さらに混ぜていく。
- オーブン対応の型に肉のミックスを詰め、ローリエを乗せて180℃のオーブンで約1時間ほど焼いていく。竹串を刺して透明な肉汁が出てくれば焼き上がり。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩寝かせる。冷やすことで味が馴染み、さらに美味しくなるからだ。
パテドカンパーニュに合うワイン
パテドカンパーニュをさらに美味しく楽しむには、相性の良いワイン選びが欠かせない。以下におすすめのペアリングを紹介する。
赤ワイン
ピノ・ノワールやガメイなどの軽めの赤ワインは、フルーティーな香りと酸味がパテの濃厚な味わいを引き立て、口の中をさっぱりとさせてくれるのでおすすめだ。
白ワイン
酸味のあるシャルドネやソーヴィニヨン・ブランは、脂分をさっぱりと包み込む役割を果たすだろう。
スパークリングワイン
シャンパンやスパークリングワインは、パテドカンパーニュの重厚感を泡でリフレッシュしてくれる。特別な日の前菜としてもぴったりの組み合わせ。
まとめ
パテドカンパーニュは、シンプルなレシピから手の込んだアレンジまで楽しめる、奥深いフランスの郷土料理。世界各地でアレンジされ、愛され続ける理由がよくわかる。もし時間があれば、是非自宅でもパテを作り、お気に入りのワインとともに味わってみてほしい。
この記事をご参考いただき、パテドカンパーニュの奥深い魅力を存分に楽しんでいただければ嬉しい限りだ。