
国分寺の中華『しげ乃』実食レポ|重くならないコース×ワインペアリング
国分寺で中華なら『しげ乃』。化学調味料不使用で“重くならない中華”をコースで楽しめ、ワイン・日本酒・紹興酒のペアリングも評判だ。
中華料理と聞いて、どんなイメージが浮かぶだろうか?
私は、「油っこい」「こってり」「食べ終わるとちょっと重たい」──そんな印象を持っていたひとりである。
しかしその先入観を、いい意味でひっくり返してくれたお店があった。
今回訪れたのは、国分寺駅からほど近く、「もたれない中華」を追求したコース料理専門店『中国料理 しげ乃』。
旬の食材と丁寧な技術で仕上げられた一皿一皿は、優しさに満ちていた……。
今回はそのコース体験を、ペアリングとともにレポートしていきたい。
- 国分寺の中華『しげ乃』実食レポ|重くならないコース×ワインペアリング
『中国料理 しげ乃』とは?|国分寺駅すぐのコース専門・化学調味料不使用の本格中華
今回訪れた『中国料理 しげ乃』は、JR国分寺駅北口から徒歩わずか3分ほどの場所にある、コース料理専門の中国料理店。
「季節感を大切に、今、美味しい食材をさらに美味しく」をコンセプトに、旬の素材や地元の野菜“こくベジ”を中心に据えた、体にやさしいコース料理を提供している。
特筆すべきは、化学調味料を一切使わず、香り・食感・旨味を最大限に引き出す繊細な調理法。いわゆる「油っこくて濃い」イメージのある中華料理とはまったく異なり、食べ終わったあとも驚くほど軽やかだ。
「お腹は満たされるのに、胃が重くならない」──そんな不思議な満足感を与えてくれるお店である。
料理を手がけるのは、シェフ・繁野佑介さん。
長野県出身で、調理学校卒業後は名店『頤和園 溜池山王店』にて本格中華の技法を学び、10年間の修業を積んだのち、料理研究家・五十嵐美幸氏のもとでさらなる研鑽を積まれた実力派。
その後2019年に独立し、『しげ乃』をオープン。女性的な繊細さと中華の芯を融合させたような料理が印象的で、まさに“自分の店を持つべくして持った人”という印象だ。
店内はカウンター中心のコンパクトな空間ながら、木のぬくもりが感じられて落ち着いた雰囲気。夫婦で営まれていて、サービスもとても丁寧。
記念日や大切な人との食事にもぴったりな、肩肘張らずに楽しめる本格中華の名店である。
ちなみに国立にあるフレンチ『LE CIEL(ル シエル)』と共同でコース料理を提供する特別デーがあったりと、飲食店同士のコラボレーションなどの面白い試みもされている。
【実食レポ】国分寺『しげ乃』で味わう“もたれない中華”コース体験

この日のコースは、夏らしい食材をたっぷり使った全12品(11+1品)構成。料金は8,800円+550円(税込)。
※本記事は2024年夏に訪問した際の内容です。価格・メニューは変更されている場合があります。
この+1品というのは、名物の麻婆豆腐をコースメニューの間に頼むことができるという仕様になっている。
ちなみにコースの内容は毎月変わるそうだ。
今回はとうもろこし、枝豆、ズッキーニにトマト、そして鯛や帆立といった魚介類まで、“旬を食べる”楽しさを、改めて実感できる内容だった。
メニューは下記の通り。
- とうもろこしのスープ
- 海老パン
- 枝豆クリームのおくら・ピータンがけ
- 黒火乃牛
- コリンキー・くらげの冷菜
- 黒火乃牛の焼売と万願寺唐辛子
- 帆立ととうもろこしの春巻き
- 鮮魚と茄子の温菜
- 和牛ほほ肉とトマト・ズッキーニ
- 名物・麻婆豆腐(+550円)
- 〆の麺
- 杏仁豆腐 ブルーベリー
とうもろこしのスープは、ふわっと香る甘さが舌にのせられて心地よい。添えられたカシューナッツの素揚げやスパイスが良いアクセントに。

ふかっと揚がった海老パンは、茗荷が香りのアクセントに。食感と香りのコントラストが楽しく、出汁感もたっぷり。茗荷の爽やかさもたまらない。

和え物スタイルの一皿は、なめらかな枝豆クリームにピータンとおくらが絡み、さっぱりしつつもコク深い。
ピータン好きにはたまらんね、こりゃ……。
夏らしいピータンの食べ方ってこういうことなのか、と妙に納得。面白い一品だ。

次のコリンキーとくらげの和え物は、くらげのぷるぷる食感と、シャキッとしたコリンキーの歯ごたえが絶妙。
甘すぎない中華風の味付けで、前菜としてすっと体に馴染んでいく。まさに“涼を呼ぶ”一皿だ。

黒火乃牛は、その名の通り火入れが素晴らしい。表面の焼き目の香ばしさと、噛むたびにあふれる旨味のコントラストが絶妙で、まさに“和のステーキ”。

焼売はジューシーな旨みと、香ばしく焼かれた万願寺唐辛子のほろ苦さの塩梅が良い。組み合わせで食べると味の輪郭が一気に立ち上がり、コース中盤のアクセントとして最高だ。

外はパリッ、中はホクホク。とうもろこしの自然な甘さと帆立の旨味のバランスが絶妙な春巻き。皮が軽く、添えられた塩で具の甘さが引き立つ。

魚料理へ。ふっくらと蒸された鯛の上に、たっぷりの白髪ねぎと香味野菜。優しい醤油ベースのソースが絡み、茄子のとろみと共に、心がふっと緩む味わい。中華なのに、まるでフレンチのようで面白い。

肉料理は和牛ほほ肉とトマト&ズッキーニ。終盤でも重くなりにくいのは、トマトの酸味とズッキーニの瑞々しさのおかげ。ほろほろと崩れるほほ肉に、思わずうっとり。

名物の麻婆豆腐は+550円で追加。花椒は控えめながら、豆鼓や味噌の深みが印象的で出汁感もあり、じんわり美味しい。思わずおかわりしたくなるタイプだ。

〆の麺は、さっぱりとしたスープに細麺がつるつると喉を通る。満腹でもスッと入ってしまう、不思議な軽さ。

デザートは、シンプルにブルーベリージャムがのった杏仁豆腐。多摩地区はブルーベリーの生産が盛んで、地元の食材だろうと想像できる。やさしい甘さが心地よく残り、控えめながら印象的な一皿だった。

『中国料理 しげ乃』のペアリング体験|中華に合うワイン&日本酒&紹興酒
ペアリングは5杯 5,500円/4杯 5,000円の2種類から選択可能。今回は5杯5,500円のペアリングを選択した。
乾杯酒:スパークリングワイン

最初の一杯は、華やかな口当たりのクレマン・ダルザス。スタートにぴったりの泡だ。
冷菜に合わせた日本酒:加賀鳶 純米大吟醸(限定製造)

枝豆クリームのオクラ・ピータンがけに合わせて。無濾過の生酒だが中汲みの綺麗さがあり、濃すぎず透明感のある味わい。料理を引き立ててくれた。

春巻きと合わせた紹興酒

香り高くほどよくコクのある紹興酒。料理の甘味と塩味にちょうど良く絡み、中華の醍醐味を感じるペアリングに。

白ワイン:ノストラーレ・ロンガリコ(イタリア・シチリア)

レモンイエローの色調。果実味豊かでオリエンタルな風味が、旨味の強い魚介料理にもすっと馴染む。

赤ワイン:リヴァ・レオーネ・バルバレスコ(イタリア・ピエモンテ)

滑らかな口当たりで、タンニンはしっかりしつつエレガント。牛肉料理に深みを与えてくれる一本だ。

色々な種類のお酒を楽しむならペアリング5種コースがおすすめ
ワインだけでなく、日本酒や紹興酒も混ぜたペアリング。特に印象的だったのは、枝豆クリーム×オクラ・ピータンと純米大吟醸、そして春巻きと紹興酒の組み合わせ。
4種と5種では500円しか変わらないので、色々なお酒を合わせて楽しみたい方は5種類のペアリングがおすすめだ。
店舗情報・アクセス|国分寺『中国料理 しげ乃』

店名:中国料理 しげ乃
住所:〒185-0012 東京都国分寺市本町3丁目7−31(国分寺駅 北口 徒歩3分)
営業時間:18:00〜23:00(L.O.20:00)、ランチ(金・土)11:30〜14:30(L.O.13:00)
定休日:日曜+不定休あり
支払い:キャッシュレス可(クレカ・電子マネー・Suica 他)
公式Instagram:@shigeno201904
※本記事は2024年夏の訪問内容です。価格・メニュー等は変更の可能性があります。
まとめ|記念日やご褒美に。『しげ乃』で“重くならない中華”を楽しむ理由
コース料理、ましてや中華料理を食べた後は、お腹がいっぱいで動きたくなくなるほど身体が重たい時もある。
しかしここのコース料理は、たっぷり食べても、重くならない。
どの皿にもきちんと旬の素材への仕事の丁寧さがあり、香りや温度の緩急まで丁寧に考えられている。
“じんわりと美味しい”って、悪くない──。
記念日にも、ご褒美にも、季節を味わいたい日にもぜひ。
国分寺で出会った小さな名店『しげ乃』に、感謝。
▼おすすめ過去記事はこちら
▼猫パッケージの可愛い焼き菓子 トリオレ
食いしん坊ライターが本気で作った、からだにやさしい焼き菓子セット【トリオレ】。
素材にこだわったグルテンフリースイーツで、ギフトにも、自分へのちょっとしたご褒美にもおすすめです。

この記事を書いた人:らむこ
おいしいものと人の温かさを探して、あちこち食べ歩いています。
レビュー歴10年以上、Googleレビューでは全国上位5%のレビュアーとして活動中。ブログやSNSでは、料理の味だけでなく、空間や人柄、ちょっとした気づきまで伝わるようなレポートを心がけています。
日々の食がちょっと楽しみになるような、そんなヒントをお届けできたらうれしいです。