京王線の西調布駅に降りたのは初めてで、住宅街のイメージが強いこの町にあえて降りたのは、とある飲食店がお目当てだった。
ビールな私が向かったのは、西調布駅から徒歩5分の場所にある小さなブルワリー『TEGAMISHA BREWERY(手紙舎ブルワリー)』。
ぱっと見は落ち着いたビアレストランだが、ただビールを飲むだけの場所じゃない。
雑貨や本を紹介していた編集チーム「手紙社」が次に手掛けたのは、食の世界。
だからなのか、他のブルワリーとは異なり、ビールや料理、そして雑貨に本まで、ひとつの世界観で貫かれていたのが非常に印象的だった。
調布・西調布あたりでクラフトビールを探している人だけでなく、文具系の雑貨や本が好きな方々にも、是非知っておいていただきたいおすすめの場所だ。
- 手紙社がつくるブリュワリーパブ、TEGAMISHA BREWERY
- ビートルズが流れる、"選ばれている"空間
- まずはこれ|自家醸造ビール飲み比べセット(3種・1,300円)
- ラザニアと煮込みが強い。料理もビールありきの店
- 2階の本と雑貨が、地味に危ない
- TEGAMISHA BREWERYはどんな人におすすめ?
- TEGAMISHA BREWERYの店舗情報
- まとめ|派手じゃないけど、また来たくなる店
手紙社がつくるブリュワリーパブ、TEGAMISHA BREWERY

手紙社は調布を中心に、松本や前橋にも拠点を持つ編集チーム。カフェ、雑貨店、書店、イベント——表現の出口を固定せずに動いている人たちだ。
「編集チームがやっている店」と聞くとちょっと構えてしまうけど、安心してほしい。ここはちゃんと飲める。使い勝手がいい。
自家醸造ビールは全6種、国内クラフトは13タップ。ビールに合わせた料理もしっかりある。
クラフトビールの店としての骨格がまずちゃんとしていて、その上に手紙社らしい空気感がちょうどよく乗っている、という感じ。盛りすぎてもいないし、足りなくもない。
ビートルズが流れる、"選ばれている"空間

座ってまず目に入るのが、お手拭き、コースター、ショップカード、グラス。
普通の店なら流してしまうようなひとつひとつのものにも、こだわりが感じられるデザイン。
そして、BGMはビートルズで、音量もちょうどいい。
静かすぎず騒がしすぎず、会話の邪魔をしない。

また、奥には醸造設備が見える。
ブリュワリー併設ならではの景色で、主張が強すぎないのがいい。
まずはこれ|自家醸造ビール飲み比べセット(3種・1,300円)

この日は自家醸造の飲み比べセット(3種・1,300円)を2セット頼んでみた。
ピルスナーにIPA、ペールエール、スタウト。
王道寄りのスタイルが中心で、奇をてらった印象はない。
最近は尖った一杯が話題になりがちだが、ここは特に、日常の中で飲み続けられるビールを作っているなぁという印象。
飲み疲れせず、自然と食事に合わせられるので、あっという間に6杯すべて飲み干してしまった。
「クラフトビールって難しそう」と思っている、クラフトビール初心者にもこの店は向いていそうだ。
派手な香りや苦味で押してこないぶん、スタイルごとの違いがむしろ分かりやすい。入口としてかなり優秀な印象だった。
ラザニアと煮込みが強い。料理もビールありきの店
このTEGAMISHA BREWERYは、フードもイチオシ。
ビールに合うようなメニューがいっぱいだ。
黒ビールで煮込んだミートソースラザニア(1,100円)

まずは黒ビールで煮込んだミートソースラザニア。
そもそも黒ビールは、麦芽を焦がしてつくるから、コーヒーやチョコレートに近い香ばしさがある。
その香ばしさがソースに溶け込んでいるので、甘さよりも焦がしの風味が先に立つ。
そして、重くなりすぎないのも良い。
ビール側の麦芽感とソース側の焙煎感が同じ方向を向いているから、食べて飲んでのループが止まらなくなる。
「ビールのためにつくられたラザニア」と言われたら、たぶん誰も反論しない。
豚肩ロースのビール煮込み(1,200円)

こちらもビール煮込み。
相性の良さは言うまでもないが、脂の旨味とビールの苦味・香ばしさが喧嘩しない。
ほろほろに崩れる肉をビールで流す、その繰り返し。
気がつくとグラスが空いている。
ソーセージ盛り合わせ(780円)

説明はいらないのが、ソーセージ。
ザワークラウトも一緒に載せられたボリュームたっぷりの盛り合わせは780円とコスパも良し。
全体的に、どの料理も映えを狙いにいくタイプじゃないが、ビールの味を邪魔せず、かといって弱くもない。
結果、飲むペースが自然と気持ちよくなる。
2階の本と雑貨が、地味に危ない

この店のユニークさは、実は2階で完成する。
本と雑貨のフロアがあり、食に関する本や文房具、紙ものがずらりと並んでいる。
ビールを飲んで、ほろ酔いでふらっと上がって、何かを手に取って、気に入ったら買って帰る。
飲食店の体験がその場で終わらない仕組みになっている。
正直に言うと、文房具好きな人は気をつけたほうがいい。
私は思わずマスキングテープやメモを衝動買いしてしまった。
TEGAMISHA BREWERYはどんな人におすすめ?
さて、改めて、TEGAMISHA BREWERYはクラフトビール初心者に特に向いていると思う。
王道スタイル中心で飲み疲れしにくいし、スタイルの違いも分かりやすい。
料理もちゃんと食べたい人には、ビール前提で組み立てられたメニューが多いのが嬉しいはず。
また、静かに飲みたい人にも合う。空気がちゃんとコントロールされていて、うるさくない。
そして雑貨や本が好きな人は2階の空気感が刺さりすぎるかもしれない。
逆に、派手なヘイジーやサワーで驚きたい人には少し物足りないかもしれない。
ただ、この店は「驚き」じゃなくて「整う」方向の良さ。
目的が合えば、満足度はかなり高いといえるだろう。
TEGAMISHA BREWERYの店舗情報

住所:東京都調布市下石原2-6-14 ラ・メゾン1F
最寄り駅:京王線 西調布駅 徒歩5分
TEL:042-444-0660
営業時間:
平日(月・水・木・金)16:00〜22:00
土・祝日 12:00〜22:00
日 12:00〜21:00
※火曜定休(祝日の場合は翌日振替休)
支払い:クレジットカード・交通系IC・PayPay可
まとめ|派手じゃないけど、また来たくなる店
TEGAMISHA BREWERYは、派手さで引っ張る店じゃない。
でも空間、ビール、料理、2階の雑貨まで、全部同じ温度で揃っている。こういう店は意外と少ない。
クラフトビールを飲みたい日、ちゃんと料理も食べたい日。
少しだけ日常と距離を取りたい日。そんなときに、ふっと頭に浮かぶ一軒になると思う。
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この記事を書いた人:らむこ
おいしいものと人の温かさを探して、あちこち食べ歩いています。
レビュー歴10年以上、Googleレビューでは全国上位5%のレビュアーとして活動中。ブログやSNSでは、料理の味だけでなく、空間や人柄、ちょっとした気づきまで伝わるようなレポートを心がけています。
日々の食がちょっと楽しみになるような、そんなヒントをお届けできたらうれしいです。