右手にはワインを、左手にはビールを。

食の世界に魅せられて。美味しい料理やお酒が好きなアラサーです。 「食のエンターテイメント」を、皆さんと共有出来たら良いなと思います。

整体院での世間話が現代社会を考えるきっかけになった話

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人一倍肩が凝りやすいし、おまけに昔腰のヘルニアも経験している私。

腕がいいマッサージ師や整体師を求めて過去様々な場所に言った経験があるのだが、そんな私が驚くほどの身体の変化を感じたのは、とある相模原の整体院。そこは数十年程続くという老舗なのだが、中国式の整体で、施術者も中国の方。

日本語が堪能で、非常に丁寧に施術についての説明をしてくれるのと、骨格矯正のために入れてくれる力が日本で勉強した方と異なり、体重を、ぐぐぐぐぐぐぐぐっとかけたり、横向きで寝たことによる顔の左右差もぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅっと押してくれる。小顔、痩身、不妊など色々な悩みに対応した施術をしてくれて、実際終わった後はとてもすっきり。その腕に惚れ込み、遠くからも多くの人が通う人気店のようだ。

私も腰痛のために一度通っただけで、なぜかくびれがくっきりして、顔がほっそりするというおまけつきだったのだが(笑)、今回は、施術に関する話ではなく、そこで世間話をした内容が個人的にとても興味深く、現代社会について考えさせられる問題だったので、ブログに認めてみようと思った次第である。

 キャッシュレスの話

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日本政府が2020年までに日本のキャッシュレス比率を40%を目指す方針であることはご存じだろうか。

フィンテックフィンテック~なんて言われている割には、世界と比較して日本は非常に低い数値。例えばアジアの中でも、韓国では90%以上、中国では60%以上のキャッシュレス化が進んでいるのにも関わらず、だ。

私は日本の現金主義が本当に苦手で、飲食店やタクシーでモバイル決済やカード使えません、と言われると非常にストレスを感じる。

本当はやってはいけないのに、少額決済はクレジット使えません!と店員に言われてしまうと、店側の気持ちを理解できないわけではないが、どうしても時代錯誤だと感じてしまうし、現金強奪の事件を見ると、あーあ……と思う。

中国の整体師のおじさんの話を聞くと、

すでに財布は持ち歩かず、携帯電話のみで決済もすべて終始するという。

だから携帯なくしたらめっちゃ焦るけどね~~アハハなんて言っていたが、正直とても便利だそうだ。

ちなみに充電なくなったらどうするんだろうと気になったので聞いてみたが、中国の携帯は日本のアイフォンなどと比較するとバッテリーが長持ちすると実感していて、一日半までなら持つと思うとのこと。

その代わり、オンラインゲームをするなど電池の消耗が激しい場合は、日本と同じく充電器を持ち歩くのが当たり前だそうなので、いざ充電がない、という場面はそうそうないらしい。

キャッシュレス化で何が良くなるの?

そもそもキャッシュレス化でどんないいことが起こるのかということについて、漠然としているかもしれないので、経産省の資料を用いて説明したいと思う。

 

<引用元>

キャッシュレスの現状と推進(経済産業省資料)より

 キャッシュレス決済は、消費者に利便性をもたらすほか、事業者の生産性向上につながり、また経済全体にも大きなメリットがある。

①消費者のメリット

•大量の現金を持たずに買い物ができる

•カード紛失・盗難時の被害リスクが低い

⇒良くあるのが、いくらあったっけ?あ、手持ちないや、みたいなケース。カードがあるからとタクシーに乗った私が、現金しか無理だと言われたときの気持ちといったら……。

また、スリ・ひったくりといった犯罪に対しても、現金だと誰でも使うことが出来るが、カードだと暗証番号もあり、すぐにカードを止めることも出来るので、被害リスクを抑えられる。


•ネット取引で不可欠

⇒世間は言わずもがなインターネットの時代。ネットの通販を利用したことがある人は分かるかもしれないが、特に他国のネット通販を利用するような場合は必須。代引きなんてサービスは勿論ない。

ちなみに聞いたところによると、中国の通販では、例えば洋服を買ったとき、

「なんか色が思ってたのと違うな~」とか、

「サイズ合わないわ~」と思ったら、なんと送料も全てお店の負担で返品交換や返金に応じてくれるらしい。

なんてすごいサービスなんだ。。。現在私はネット通販の仕事をしているのだが、アパレルメーカーでこんなサービスをしているようなところは見当たらない。これは日本の対応が悪いというのではなく、中国が手厚い……!!

日本ではただでさえ送料が値上げしている中、このようなことをするのがどれだけ大変か。送料負担までするところはサービス精神が旺盛だと言って間違いないだろう。

ちなみにアマゾンは良品であっても返品を必ず認め無ければならなかったりと、


•自らの消費履歴情報の管理が容易であり、自動家計簿サービス等の利便性が向上

⇒最近は電子マネーなどの使用履歴が家計簿などのサービスに直結したりと便利なことばかり。昔ならレシートをためて手記で家計簿をつけるのが当たり前だったことを考えれば、本当にびっくりするような時代になったものだ。

②事業者のメリット

•従業員による売上現金紛失・盗難等のトラブル減少
•現金の搬出入回数の減少

⇒従業員を雇うということはある程度のリスクがある。昔だとレジごと盗んで逃げた従業員もいるとか。。。未だに賽銭泥棒がいることを考えると、こういったトラブルがなくなることは非常にありがたいといえるだろう。

まあ、もしお賽銭が現金でなくなったら風情がなくなること請け合いだが。。。

•従業員が紙幣・通貨に触れないので衛生的

⇒少し前の中国の話になるが、2015年に銀行の窓口で働く女性が原因不明の性病を患うということがニュースになったそうだ。

ほどなくしてその原因が解明されたのだが、なんとそれは「お金の触りすぎ」。流通の過程で色々な人の手に渡ったお金はもう、、、それはばい菌だらけということなのだろうか。

とにかく私が言いたいのは、身に覚えのない性病なんてごめんだということだ。


•訪日外国人の54%がクレジットカードを利用、インバウンド需要を取り込むには不可欠(訪日外国人のクレジットカード払いでの消費単価は現金払の1.4倍)

⇒海外旅行をする時のクレカ払いは私もよくやる。なぜなら、換金できる場所は限られているし、意外と知られていないのが、手数料はかかるものの、クレジットカードの方が現金より換算レートが良いこと。さらにポイント還元のメリットも考えれば、現金ほどほど+クレカを持っているので、現金主義の人は一度考え直してみるのもいいかもしれない。

さて話を戻すと、日本よりキャッシュレスが進んでいる国ばかりなので、クレカ払いの訪日外国人がいることは何ら驚くことはない。先日箱根に行ったとき、ロープウェイに乗った周りの9割が外人だったことを考えると、観光地にある店のクレジットカード対応はもはや必須なのではないだろうか。


•個人の購買情報を蓄積し、ビッグデータを分析することにより、マーケティングを高度化

⇒これは後で詳しく書くが、中国では様々な情報が結びついているらしい。いわゆるマイナンバーのような個人情報と購買情報を結びつけて、性別・年代・購買傾向などのマーケティング面で役立っているということだ。

以前勤めていたとある医療IT企業でも、金額・自費/保険・通院回数・メニュー・キャンセル率・遅刻率・購入履歴等々、詳細な情報から様々な分析が出来るシステムを作っていた。

マーケティングするのも、今の時代は本当に簡単になった。時間をかけて分析をする必要がなく、システムが自動的にやってくれるからである。ただし分析結果から考えるのはあくまでも人間だとは思うが、今後高度なマーケティングになっていくのは間違いないだろう。


③公共的観点

•脱税の減少
•マネーロンダリングの抑制

 ⇒これに関しては、上記に関わらずあらゆる犯罪の追跡がしやすく、悪いことは出来なくなってきていると感じる。

これも中国のおじさんと話していたのだが、中国では現在マイナンバーと支払能力や支払実績、犯罪歴などとも結びついているという。

特に驚いたのが、例えば税金の支払が滞っている人は、

ホテルにも泊まれないし

電車にも乗れないし

飛行機にも乗れない らしい。

 

まじか、まじか~~。。。

なんもできないやんけ~~。。。そりゃ払うわ……。

こんな対策を日本でやることが出来るとは思わないが、もしこんな状況になったら、皆どうにかして支払うだろう。

ただ、中国は広いので、都市部と地方だと色々な事情がまだまだ異なるとのこと。日本でさえ地域差が如実なのだから、中国がそんな状況なのは当たり前といえば当たり前なのかもしれない。

いやあそれにしてもびっくりな話だ。。。

なんでキャッシュレスが進まないの?

さて、メリットが分かったところで、「なぜ日本の導入が進まないのか?」と思うかもしれない。

それについては、下記のような理由が考えられている。

 

・日本では偽札の流通がほぼなく、現金の信用が高い。

・カード使うと個人情報抜かれるリスクがあり匿名性がある現金を使う。
・加盟店手数料が高くてクレジットカードに加盟する店の普及が遅い。
・決済会社や方法が乱立し、主要な決済サービスが生まれづらい。
・日本は手数料ビジネスという考えが強く、諸外国のように決済ビジネスの利益を手数料からビックデータの収集と活用にビジネスモデルの変換などに保身的。

 

もう本当に納得できると思うが、これらの問題を動かすのは容易なことではなく、政府主導で体勢を整える必要があることが分かる。 

ふとしたことから

と、いうことで、ふとしたことからキャッシュレスについて考える機会になったわけだが、こういうナマの話を社会問題と絡めると、とたんに現実味が湧いて少し考えられる。面白い出会いだった。

まだキャッシュレス普及が20%台と言われている日本だが、2020年までに40%(つまり倍)にするということは果たしてできるのだろうか……!

 

フィンテック (日経文庫)

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