六本木の地下に、点心をつまみに飲む店がある。
目の前のオープンキッチンにはせいろがタワーのように積まれ、注文のたびに湯気が立つ。手がけるのは、20年以上のキャリアを持つ点心師・鈴木高輔さん。皮の粉の配合から、ひだの数、色まで工夫された点心が、季節ごとに顔ぶれを変えて出てくる。
今回は、ハーフコースと2時間飲み放題のセット(1人11,000円・税込)を利用した。少しずつ料理をつまみながら、飲み物を楽しむためのコースだ。
【PR】本記事はお店からのご招待で訪問した体験をもとに作成しています。内容は訪問時(2026年10月)のものです。お酒は20歳になってから。
厨房に積まれたせいろ。注文のたびに湯気が上がる
六本木駅7番出口から徒歩1分、地下のカウンターへ
場所は都営大江戸線・六本木駅7番出口から徒歩1分ほど、東京ミッドタウン近くの路地にある佐々木ビルの地下1階。日比谷線・六本木駅の2番出口からは徒歩4分ほど。
店内はオープンキッチンを囲むようにカウンター6席とテーブル14席が並ぶ、計20席のこぢんまりした造り。コンクリートの壁に木の家具、奥にはワインセラーと黒板メニューがあり、六本木の隠れ家らしいさまだ。
カウンター6席、テーブル14席。奥の黒板には当日のおすすめが並ぶ
カウンターの上に目をやると、八角、黒カルダモン、クコの実、ナツメ、陳皮といった薬膳素材のガラス瓶がずらりと並び、その奥には自家製果実酒の大瓶が控えている。点心だけでなく、お茶や果実酒まで含めて「中国の食材で遊ぶ店」なのだと、座った時点で伝わってくる。
カウンターに並ぶ薬膳素材の瓶
点心を手がけるのは、20年以上のキャリアを持つ点心師・鈴木高輔さん。広東点心の伝統を踏まえつつ、具材だけでなく皮の粉の配合や厚み、ひだの数、色合いまで工夫を重ねているそうだ。そこにソムリエが選んだワインを合わせる、というのがこの店のコンセプトである。
ハーフコース+2時間飲み放題(11,000円)の中身
今回利用したのは、ハーフコースと2時間飲み放題がセットになったプラン(1人11,000円・税込)。飲み放題は2時間制で、ラストオーダーは終了30分前。
訪問当日のハーフコースの構成
本日の前菜/おまかせ蒸し点心4種/揚げ・焼き点心/野菜料理/小菜(小皿蒸し)点心(お一人様一つ選択)
公式の説明にある通り、一皿をがっつり食べるというより「軽く、種類は豊富に」のおつまみ仕立て。〆の麺飯やデザートは含まれていないので、足りなければ追加で頼める。
ワインだけで7種、ほかにハイボールやサワー、紹興酒、中国茶まで飲み放題に含まれているので、2時間はあっという間だった。
本日の前菜3種|最初から点心がひとつ入っている
カンパチのカルパッチョ リンゴ生姜ソース、小鉢の一品、豚バラの梅焼売
黒い長皿に、カルパッチョ、小鉢、小さなせいろの3点が並ぶ。この日の内容は、カンパチのカルパッチョ リンゴ生姜ソース、刻んだ葱とたれを添えた小鉢、そして豚バラの梅焼売。
カルパッチョのソースはリンゴの甘みと生姜の香りで、中華というより和寄りの爽やかさ。小鉢はとろりとしたたれに細かく刻んだ葱がのり、これだけでワインが進む。
そして最初の一皿から、小さなせいろにのった焼売がひとつ。緑の皮に桜色の肉だねで、梅の酸味がふわっと抜ける。「点心の店に来た」という気持ちを、前菜の段階で作ってくれるのが上手い。
おまかせ蒸し点心4種|紫・緑・赤飯色・白
紫は金時芋と黒ごまの海鮮ぎょうざ、緑は春菊と厚揚げの柚子風味ぎょうざ
この店の主役。丸いせいろの蓋を開けると、紫、緑、赤飯色、白と、色も形も違う点心が一つずつ並んでいる。季節替わりで、この日の4種は以下の通り。
・春菊と厚揚げの柚子風味ぎょうざ(緑)
・五穀米で包んだ鶏肉焼売(赤飯色)
・金時芋と黒ごまの海鮮ぎょうざ(紫)
・プチ叉焼まんじゅう(白)
紫の海鮮ぎょうざは、たっぷりひだを寄せた皮が印象的。金時芋のほんのりした甘さと黒ごまの香りに、海老のほどよい塩気。緑のぎょうざは春菊のほろ苦さに厚揚げが合わさり、柚子の香りが心地よい。
五穀米で包んだ鶏肉焼売は、皮の代わりに五穀米をまとわせたもので、もちっとした食感。小さな叉焼まんじゅうは、ふわふわの生地と甘辛い叉焼を楽しめる一品だ。
鈴木さんが皮の配合やひだの数、色合いまで工夫している、というのはこの一皿を見ると納得する。並んだ姿を見比べるだけでも楽しいし、どれから食べるか迷うのも含めて点心の醍醐味である。
点心には、蒸し物だけでなく揚げ物・焼き物・甘いものも含まれる。このコースでも、蒸し点心のあとに春巻きと大根餅が続き、調理法の違いを楽しめた。
揚げ・焼き点心|厚切り大根餅がこれだけで一杯いける
厚切りの大根餅は両面を強めに焼いてある
続いて揚げ・焼き点心。この日は、こんがり焼いた大根餅と春巻きの2点。
大根餅がかなり厚切りで、両面をしっかり焼いているので、表面はカリッと香ばしく、中は大根のみずみずしさが残ったもっちり食感。断面には干し海老らしき赤い粒が点々と見え、噛むほどに旨みが出てくる。
大根餅は飲茶店でよく食べるものだが、ここのは焼きの強さが印象的で、添え物ではなくきちんと一品として成立している。卓上の香港オリーブ醤を少しのせると、塩気と酸味でまた違う顔になる。春巻きは皮が薄くパリッと軽い、昔ながらのタイプだった。
野菜料理|空芯菜のガーリック炒め
揚げたにんにくの香ばしさが効いている
野菜料理は、この日は空芯菜のガーリック炒め。シャキッとした茎に、揚げたにんにくの香ばしさがのる。点心が続いた流れをいったん軽くリセットしてくれる一皿で、ここでワインを白に切り替えた。
選べる小皿蒸し|天使の海老と梅風味のスペアリブ
コースの最後は、お一人様一つ選ぶ小皿蒸し。この日の基本の選択肢は以下の4種で、+1,000円で本日の鮮魚蒸し・閻魔スペアリブ・酢豚にも変更できる。
① 豚スペアリブの豆豉蒸し ほんのり梅風味
② 天使の海老の香港オリーブ醤蒸し
③ 豚テールの黒酢醤油煮込み
④ 五目あんの湯葉巻き オイスターソース
変更+1,000円:⑤本日の鮮魚蒸し/⑥閻魔スペアリブ/⑦酢豚
殻付きのまま蒸された天使の海老。オリーブ醤の塩気が身に染みる
2人で、天使の海老の香港オリーブ醤蒸しと、豚スペアリブの豆豉蒸しを一つずつ選んだ(1人1品なので、写真は2人分)。海老は殻付きのまま、オリーブ醤をのせて蒸されている。殻を剥くと、オリーブ醤の塩気と旨みが身にしっかり移っていて、蒸し汁ごとすくいたくなる。
春雨の上にのったスペアリブ。豆豉に紀州南高梅を合わせている
スペアリブは小さく切り分けた状態で、春雨の上にのって登場。発酵調味料の豆豉に、紀州南高梅と練り梅を合わせているそうで、豆豉の塩気の奥から梅の酸味がほんのり顔を出す。豆豉の旨みを吸った春雨がまた良いつまみになる。
スペアリブの蒸し物も広東点心の一つ、というのはこの店で教わったこと。日本では一品料理の扱いになりがちだが、香港の飲茶では定番で、こうして小皿で出されると点心の幅広さを感じる。
追加した3種の醤 食べ比べ|結局3種とも持ち帰った
左から辛味の醤、香港オリーブ醤、XO醤
コースとは別に、3種の醤 食べ比べ(1,900円)を追加した。卓上に並ぶのは、香りのある辛味の醤、XO醤、香港オリーブ醤の3種。
辛味の醤は、辛さより香りが先に来るタイプ。XO醤は凝縮した旨みがあり、これだけで酒のあてになる。香港オリーブ醤は、塩気と酸味で点心の味が切り替わる。
同じ点心でも、付ける醤で表情が変わる。蒸し点心4種と一緒に頼むと、4種×3種で12通りの組み合わせを試せる計算で、これが思いのほか楽しい。
テイクアウト用の醤(30g・900円〜)も販売していて、気に入ったものを買って帰れる。結局、3種とも買って帰った。
テイクアウトの醤は30g・900円〜
飲み放題のラインナップ|ワイン7種から紹興酒ハイボール、中国茶まで
クラフト紙のドリンクメニュー。この全てが飲み放題の対象
飲み放題の内容は、クラフト紙のドリンクメニュー一枚にまとまっている。
グラスワイン |スパークリング・ロゼ・オレンジ・白2種・赤2種の7種
自家製果実酒 |ジャスミン茶&杏仁、アンズ&ナツメ・クコ(ソーダ割・水割・お湯割)
ビール・ハイボール・サワー |プレミアムモルツ小瓶、ハイボール、ドラゴンハイボール(紹興酒のハイボール)、レモンサワー、黒ウーロンハイ、ジャスミンハイ
紹興酒・焼酎・ジン |紹興酒、芋焼酎、麦焼酎、ジン翠
中国茶 |凍頂烏龍茶、東方美人茶、プーアール茶、ジャスミン茶、黒豆茶(さし湯2回ほど)
ソフトドリンク |ジャスミン茶、黒烏龍茶、瀬戸内レモンソーダ、ジンジャーエール、オールフリー
グラスワインは大ぶりのグラスで提供される
ワインはスパークリングから赤2種まで7種が揃い、どれも大ぶりのグラスで注いでくれる。スペインやフランスのものを中心に、点心に寄せた軽やかな選び方で、2時間飲んでも飲み疲れしにくかった。
ワイン以外も選べるのが、この飲み放題の良いところ。紹興酒を炭酸で割ったドラゴンハイボールは、紹興酒の甘い香りがそのまま軽くなった感じで、豆豉蒸しのような濃い味によく合う。アンズ&ナツメ・クコの自家製果実酒ソーダは、ドライフルーツの優しい甘みが点心の合間にちょうどいい。
自家製果実酒のソーダ割。クコの実が浮かぶ
別注のデザートと、ガラスポットの中国茶
小さめ杏仁豆腐と甜点心の盛り合わせ(1,200円)
ハーフコースにデザートは付かないので、小さめ杏仁豆腐と甜点心の盛り合わせ(1,200円)を追加した。レモングラスシロップの杏仁豆腐にクコの実がのり、ココナッツをまとった団子が添えられる。杏仁豆腐はなめらかで、レモングラスの香りが後味を軽くしてくれる。
中国茶は飲み放題にも含まれているが、今回は時間内に頼まず、飲み放題の終了後に別注文した。選んだのは小サイズ(1~2名用・1,200円)。当日の単品メニューには、大サイズ(3~4名用・2,400円)もあった。ガラスのポットで出てきて、茶葉が開いていく様子が見える。さし湯をもらえるので、デザートと一緒にゆっくり楽しめた。
ガラスのポットで、さし湯2回ほど楽しめる
当日のデザートメニューには、ほかにマンゴーココナッツスープ(楊枝甘露)、チャイニーズカスタードのココナッツ団子、エッグタルト、りんごの三角春巻き、黒ごま餡の揚げごま団子(各990円)が並んでいた。飲み放題が終わった後に、お茶と甘いもので締めるのがおすすめ。
【訪問メモ】
訪問は2026年10月、平日ディナー・2名
ハーフコース+2時間飲み放題 11,000円(税込)、飲み放題のL.O.は終了30分前
追加注文:3種の醤 食べ比べ1,900円、小さめ杏仁豆腐&甜点心1,200円、中国茶・小サイズ1,200円(飲み放題終了後)
テイクアウトの醤は30g・900円〜(3種とも購入)
アラカルトは蒸しぎょうざ・焼売が2個800円〜、席料(お通し)880円
支払いはクレジットカード(VISA・Master・AMEX・JCB・Diners)可、電子マネー不可
5名以上の予約は電話(受付:営業日15:00〜22:00)、12〜20名で貸切可
専用駐車場なし(近隣にコインパーキングあり)
こんな人におすすめ
点心をつまみに、ワインをしっかり飲みたい人
一度の食事でいろいろな種類を少しずつ味わいたい人
六本木で、派手すぎない落ち着いた中華を探している人
皮の色や形まで作り込んだ、見た目も楽しい点心が好きな人
XO醤や香港オリーブ醤など、家でも使える調味料を探している人
店舗情報・アクセス
店名
スチーム Dim sum&Wine(スチーム ディム サム アンド ワイン)
住所
〒106-0032 東京都港区六本木4-12-2 佐々木ビルB1F
アクセス
都営大江戸線 六本木駅7番出口より徒歩1分/東京メトロ日比谷線 六本木駅2番出口より徒歩4分
電話
03-6721-0820(受付:営業日15:00〜22:00)
営業時間
ディナー 平日18:00〜L.O.22:00/土日祝18:00〜L.O.20:30 ランチ 土日祝のみ12:00〜15:00(L.O.13:30)※前日21時までの予約制・コースのみ
定休日
月曜日(月曜が祝日の場合も店休)
席数
20席(テーブル14席・カウンター6席)/貸切可(12〜20名)
支払い
クレジットカード可(VISA・Master・AMEX・JCB・Diners)/電子マネー不可
駐車場
なし(近隣にコインパーキングあり)
予約
公式予約ページ /5名以上は電話にて
※営業時間・価格は変更される場合があります(2026年10月訪問)。最新情報は公式サイト をご確認ください。
まとめ
六本木駅7番出口から徒歩1分の地下にある「スチーム Dim sum&Wine」は、点心師・鈴木高輔さんが作る季節替わりの蒸し点心を、ワイン7種を含む飲み放題と一緒に楽しめる店である。
ハーフコース+2時間飲み放題(1人11,000円・税込)は、前菜から選べる小皿蒸しまで「軽く、種類豊富に」の構成で、麺飯やデザートは別注文なので、好みに合わせて追加できる。厚切りの大根餅、豆豉と南高梅を合わせたスペアリブ、追加の3種の醤食べ比べと、酒のあてとしての点心の幅を見せてくれる一軒だった。
点心をつまみにワインを飲みたい人、六本木で落ち着いた中華を探している人におすすめしたい。
※お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
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らむこ
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