立川駅南口エリアにクラフトビールの新たな拠点が誕生した。2025年5月1日にオープンした『VERTERE Tachikawa Taproom(バテレ 立川タップルーム)』は、東京・奥多摩を拠点とするクラフトビールメーカーVERTEREの3店舗目となる直営タップルームである。
20種類のドラフトビールが常時並び、フードの持ち込みが自由という潔いスタイルで、立川のクラフトビールカルチャーを一段引き上げる存在となりつつある。
白壁×ガラス張りの外観。テラス席と「フード持ち込みOK」の看板が目印
今回はちょうど1周年を迎えたタイミングで訪問。国立駅周辺で買い込んだテイクアウトフードを持ち込み、20タップの中から選んだ3種のビールと合わせて、立川の新しい昼下がりを楽しんできた。
本記事では実際の体験をもとに、店舗の雰囲気・飲んだビールのレポート・フード持ち込み活用術・周辺情報まで詳しく紹介する。
目次
VERTERE Tachikawa Taproomとは|奥多摩発ブルワリーの3号店
立川南駅から徒歩4分|諏訪通り沿いの開放的なタップルーム
1周年訪問で飲んだビール3種|スプレンデンス・ベルバリア・ビバーナム
フード持ち込みOK|国立駅周辺で買って持ち込んだ自由なペアリング
ホップを主役にした実験的なラインナップが魅力
こんな人におすすめ
店舗情報
まとめ|立川クラフトビール巡りの新定番
VERTERE Tachikawa Taproomとは|奥多摩発ブルワリーの3号店
『VERTERE(バテレ)』は、2014年に東京最西端・奥多摩で創業したクラフトビールメーカーである。
これまでに200種類以上の多様なスタイルのクラフトビールを製造してきた実績を持ち、全国への卸売販売や海外輸出も展開している実力派のブルワリーだ。
立川店は、奥多摩本店、2024年12月にオープンした永福町店に続く3店舗目の直営タップルームとして、2025年5月1日にグランドオープンした。立川駅南口エリアでクラフトビール文化を牽引してきた『坂道ブルイング』とのコラボレーションビール『Simul(シムル)』をオープニング記念として醸造するなど、地域のクラフトビールシーンと積極的に連携している点も特徴である。
取材で訪れた2026年5月16日はちょうど1周年を迎えた直後で、「1st Anniversary Week」と銘打たれた周年記念のラインナップが提供されていた。
▼奥多摩の本店タップルームの記事はこちら
www.cheers-winebeer.club
立川南駅から徒歩4分|諏訪通り沿いの開放的なタップルーム
場所はJR立川駅南口から徒歩圏内、多摩モノレール立川南駅からは徒歩4分。柴崎町の諏訪通り沿いに位置している。同じ通り沿いには『坂道ブルイング』もあり、徒歩で2軒ハシゴできる立地はクラフトビール好きにはたまらない。
外観は白壁とガラス張りで、店内の明るさが通りからも伝わってくる。入口前には小さなテラス席があり、晴れた日は外で一杯飲むこともできる。店内は4テーブル16席のテーブル席に加えて4〜6名分のスタンディングスペースがあり、こぢんまりとしているが圧迫感はない。
白を基調とした清潔感のあるインテリアに、20本のタップが一列にずらりと並んだカウンターが映える。
壁一面に20本のタップが一列に並ぶカウンター
1周年直後ということもあってか、訪問時は店内が満席の盛況ぶりだった。日が差し込む明るい空間で、自作のお弁当を広げた地元客と思しき常連やクラフトビール目当ての遠征組まで、幅広い客層が思い思いに過ごしていた。
1周年訪問で飲んだビール3種|スプレンデンス・ベルバリア・ビバーナム
20タップの中から選んだのは以下の3種である。それぞれサイズはRegular(330ml)。
訪問時のビールメニュー。「1st Anniversary Week」の20種がずらり
① Splendens(スプレンデンス)|1周年記念IPA
スタイル:Hazy IPA/Alc 7.0%/IBU 20/Regular 1,200円
「Tachikawa Taproom 1st Anniversary Beer」として醸造された記念ビール。ホップオイルとペレットを組み合わせた濃密なアロマを纏ったIPAで、マンゴー・グァバ・オレンジ・ピーチを思わせるジューシーな香りが立ち上る。オーツ由来のシルキーな口当たりに控えめな苦味で、濃厚でありながら抜けの良い軽やかな飲み口。1周年というハレの日にふさわしい、華やかで満足度の高い一杯だった。
② Bellevalia(ベルバリア)|やさしい甘香のピルスナー
スタイル:Pilsner/Alc 5.0%/IBU 17/Regular 1,000円
フローラルなホップ由来のノーブルなアロマと、ほのかに蜂蜜を思わせるニュアンスが特徴のピルスナー。口当たりは軽く、口に含むと優しく溶ける。余韻にはほのかな麦の甘み。
正直に書くと、以前奥多摩本店で飲んだ際にはハチミツのようなニュアンスがもう少しはっきり感じられた印象があり、今回はそれがやや控えめに感じられた。同じ銘柄でも提供時期やコンディションによって印象が変わるのは、樽生で飲むクラフトビールの面白さでもあり、また訪問するたびに発見がある理由でもある。
③ Viburnum(ビバーナム)|ボイセンベリー×ホワイトチョコのデザートサワー
スタイル:Boysenberry Sour w/White Chocolate/Alc 6.5%/Regular 1,400円
左が鮮やかな赤紫色のViburnum(ボイセンベリーサワー)
イギリスのInkhorn Brewingとのコラボレーションで、ボイセンベリーとホワイトチョコレートを使用したサワーエール。グラスに注がれた時の鮮やかな赤紫色のビジュアルからして特別感がある。乳酸菌由来の爽やかな酸味とベリーの濃密なアロマに、ホワイトチョコレートのクリーミーなニュアンスが重なる。デザートのようでありながら飲み疲れしない、攻めた素材使いの一本である。
奥多摩本店で缶を購入して飲んだことがあったが、樽生はやはり香りの立ち方が違う。VERTEREの「実験的な素材使い」を体感したい人にはぜひ試してほしい一杯。
フード持ち込みOK|国立駅周辺で買って持ち込んだ自由なペアリング
VERTERE Tachikawa Taproomの大きな特徴の一つが、フードの持ち込みが自由であること(飲料の持ち込みは不可)。店頭で販売されているのはミックスナッツなどの軽いおつまみのみで、本格的なフードは利用客が思い思いに持ち込むスタイルである。
今回は来店前に国立駅周辺で買い込んだ以下のメニューを並べた。
ケールサラダ(オレンジとキヌア入り)
トマトのブルグル
砂肝のスパイス和え
馬刺し
チーズ盛り合わせ
はちみつナッツ
国立駅周辺で買い込んだ持ち込みフードとビール
合計で2,000円ほど。2人でシェアして1人あたり1,000円ちょっとと、フードの費用を自分でコントロールできるのが持ち込みスタイルの嬉しいところ。ビール自体はクラフトビールタップルームの標準価格帯ではあるが、フード代を抑えられるぶん、その日の気分で「ビールを多めに飲み比べる」「フードを少し豪華にする」といった自由な配分ができる。
ケールサラダの爽やかな酸味はHazy IPAの果実感と相性が良く、スパイシーな砂肝はピルスナーのキレで口直ししながら進む。ボイセンベリーサワーには鴨ジャーキーの脂とベリーの酸味が意外なほどマッチした。「自分で選んだフードと自分で選んだビールを組み合わせる」体験そのものが、このタップルームの楽しさの本質である。
📚 知識ボックス|立川南口エリアはクラフトビールの新興スポット
立川駅南口の柴崎町・諏訪通り沿いには、2020年オープンの『坂道ブルイング』、そして2025年オープンのVERTERE Tachikawa Taproomと、徒歩圏内にマイクロブルワリー/タップルームが集積している。両店は2025年5月にコラボビール『Simul』を共同醸造するなど、街ぐるみで「立川をクラフトビールの街にする」動きが進行中。テイクアウトしたフードを持ち寄って2軒ハシゴするのが、現時点での立川クラフトビール巡りのベストルートである。
ホップを主役にした実験的なラインナップが魅力
20タップに並ぶVERTEREのビールの最大の魅力は、ホップ品種そのものを主役に据えた仕込みと、コラボレーション醸造の多さである。今回のラインナップを例に挙げると以下のような構成だった。
シングルホップシリーズ :オレゴン州Indie Hopsが手がけるStrataホップのみを使用した『Spinosa』など、ホップ品種一種類で仕込むIPAで素材の個性を引き出す
コラボ醸造 :ホップサプライヤーBarthHaasとの『Lupulus』、奈良醸造との『Typhina』、韓国Magpie Brewingとの『Vespa』、Inkhorn Brewingとの『Viburnum』など、国内外のブルワリーやサプライヤーとの共同醸造が多数
変わり種素材 :ホワイトチョコレート、スペアミント、コーヒー、酒粕など、ビールの常識を超える素材を取り入れた一杯
ベルジャン系まで網羅 :Belgian IPA、Belgian Quad、Cascadian Dark Aleなど、王道スタイルも幅広く揃う
ビール名がすべて植物の学名(Splendens, Lupulus, Persica, Viburnum…)で統一されているのも、VERTEREの世界観を象徴している。Lupulus=ホップの学名であることからも、ブルワーが「ホップという素材を研究対象として愛している」姿勢が伝わってくる。
クラフトビール好きであれば、一度の訪問で複数タップを飲み比べてホップの個性を体感するのが楽しい。Regular(330ml)とLarge(475ml)でサイズが選べるので、複数種を試したい時は小さいサイズで飲み比べるのがおすすめだ。
店内の冷蔵庫には缶ビールが25種類前後。お土産や自宅用に持ち帰れる
なお、店内の冷蔵ショーケースには缶ビールも25種類前後並んでおり、気に入った銘柄を自宅用やお土産に持ち帰ることもできる。
タップで飲んで気に入った一本を缶で連れて帰るという楽しみ方ができるのも、直営タップルームならではである。
こんな人におすすめ
立川・多摩エリアでクラフトビールを飲み比べできる店を探している人
好きなフードを持ち込んで、自分のペースでビールを楽しみたい人
Hazy IPAやフルーツサワーなど、実験的なスタイルのビールに出会いたい人
坂道ブルイングとあわせて立川のブルワリーをハシゴしたい人
奥多摩のVERTERE本店ファンで、都心寄りでバテレのビールを樽生で飲みたい人
店舗情報
店名
VERTERE Tachikawa Taproom(バテレ 立川タップルーム)
住所
東京都立川市柴崎町2-5-8 宝ビル
最寄駅
多摩モノレール 立川南駅 徒歩4分/JR立川駅南口 徒歩圏内
営業時間
月 14:00〜22:00/火・水・木 9:00〜22:00/金・土・日 12:00〜22:00
予約
予約不可(来店順)
席数
テーブル16席+スタンディング4〜6名/外テーブル席あり
フード
ミックスナッツなど軽いおつまみのみ/持ち込み自由(飲料持ち込み不可)
タップ数
20タップ(VERTERE醸造ビール)/缶ビール25種類前後の販売も
予算
1,000〜1,999円(ビール1〜2杯+持ち込みフードで2,000円前後)
支払い方法
カード可/電子マネー可/QRコード決済可
電話
042-512-6982
公式SNS
Instagram:@vertere_tachikawa
※営業時間・定休日は変更となる場合があるため、来店前に公式SNSで確認することをおすすめする。 ※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
まとめ|立川クラフトビール巡りの新定番
VERTERE Tachikawa Taproomは、奥多摩発の実力派ブルワリーが手がける20タップのタップルームでありながら、フード持ち込み自由というスタイルで「自分のペースで、自分の好きなものと一緒に飲む」自由を提供してくれる一軒。
ホップ品種を主役にした実験的なラインナップは、クラフトビール初心者にも経験者にも新しい発見があり、季節やコラボごとに表情を変える20タップは「行くたびに違うビールに出会える」楽しさを保証してくれる。徒歩圏内に坂道ブルイングもあるので、フードをテイクアウトしながら2軒ハシゴするのが立川クラフトビール巡りのおすすめルートだ。
週末の昼下がり、好きなフードを抱えて諏訪通りを歩く。そんな自由な立川時間を作ってくれる、新しい定番スポットである。