ボルドーといえば格付ワインが何といっても有名だが、その中でも格付け第一級のシャトー・マルゴーを有し、ボルドー随一の香り高さとエレガンスを生み出す銘醸地マルゴー。その中で極上といっても過言ではない評判を持つマルゴーワインが、実は5,000円以下で手に入るとしたら、果たして試さずにいられるだろうか。
今回は、そんな非常に貴重な逸品のワインを紹介していきたい。
マルゴーワインの特徴
力強いタンニンが特徴のカベルネ・ソーヴィニヨンが主体ではあるものの、格付けシャトーがある他の3つの村と比較してみるとメルローの比率が高く、その分滑らかなタンニンを楽しむことができるのがマルゴーの特徴。
繊細で華やかな香りはオー・メドックの地域で随一と言われ、力強さはありながらも、女性的であると言われている。
生産者「シャトー・ラ・トゥール・ド・モン」
力強さとエレガンスを兼ね備えている、マルゴーにあるクリュ・ブルジョワ級のシャトー、「シャトー・ラ・トゥール・ド・モン」。1615年から始まった「シャトー・ラ・トゥール・ド・モン」は非常に長い歴史を誇り、3世代にわたり同じ一族が所有している。
1990年代以降様々な改革を実施していき、ワイナリーや貯蔵セラーの新設、またサスティナブル(持続可能)な農法などを採用して、大きく品質の向上をさせることに成功した。マルゴーのテロワールを表現したクラシックなワインは、力強さとエレガンスを兼ね備え、長期熟成のポテンシャルを持ちあわせているのである。
繊細でしなやかなタンニン、フレッシュな酸、美しく端正なバランス「マルキ・ド・モン」
そんな銘醸地マルゴーのワインの中でも、圧倒的なコストパフォーマンスを誇るのが「マルキ・ド・モン」だ。
マルキ・ド・モンは、シャトー・ラ・トゥール・ド・モンのセカンド・ワイン。マルキ・ド・モンの葡萄が育つ単一区画の畑は、マルゴーのアペラシオンの中でも北部に位置し、ガロンヌ川左岸の最良のメドック・クリュとして卓越したテロワールを誇っているマルゴーの偉大さを深く尊重した、エレガンスとピュアな味わいを兼ね備えたクラシックなワイン。
手間を惜しまずグラン・ヴァンと全く同じ栽培方法・醸造方法で、ブレンド比率もグラン・ヴァンのセパージュ比率に倣ってブレンドされるマルキ・ド・モンは、シャトーでも比較的樹齢の若い葡萄から作られるワイン。
ふくよかで丸みのあるバランスのとれた味わいで、良質な酸が全体を引き締め、フレッシュな印象。飲みやすく甘美で芳醇な味わいのワインで、実に美しく端正なバランスが印象的。
ふっくらとしたやわらかい芳香や温度で個性がかなり変わる面白さも是非感じて頂きたい。もしもボルドーのワインに飽きが来ていると感じた方にも、このワインを知らないのはもったいない、是非飲んでほしいと思える逸品だ。