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食の世界に魅せられて。美味しい料理やお酒が好きなアラサーです。 「食のエンターテイメント」を、皆さんと共有出来たら良いなと思います。

ジュヴレ・シャンベルタンで最も敬意を払われるべき生産者たちの一人、アラン・ビュルゲ

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ブルゴーニュにあるジュヴレ・シャンベルタン村は、コート・ド・ニュイ最大の産地で、最も多くのグラン・クリュを擁しています。生み出されるワインたちは、男性的でありパワフル、また非常に長い熟成期間を経ても楽しめるという特徴があります。品格のある味わいは、ナポレオンが愛したという背景とあわせて、「ブルゴーニュの王」、「王のワイン」と呼ばれ、世界中のワインラヴァーから愛されています。

今回は、そんなジュヴレ・シャンベルタンの村名がつけられたワインたちの中でも優れていると評価されるワインの作り手「アラン・ビュルゲ」氏のワインについて紹介します。

 

アラン・ビュルゲ氏の評価

世界中で最も影響力のあるワイン評論家とも言われているロバート・パーカー氏は「もし彼が特級畑を持っていれば5つ星は確実」と言わしめた。

また、ブルゴーニュワイン評論においては、ロバート・パーカー氏に勝るとも劣らないとの呼び声もあるマット・クレイマー氏からも「村名ジュヴレ・シャンベルタンにかけては最良の造り手」と評価されています。

 

アラン・ビュルゲの歴史

当主であるアラン・ビュルゲ氏は1964年から10年もの間、2.5haの畑を所有する父のもとで働きながら、1972年に初めてワイン2樽を自ら生産したものとして申告し、1974年に畑の一部を定年退職者から借りてドメーヌを設立。その後、1991年に逝去した父親の遺産やその他の畑を購入し、現在6.2haもの畑を所有しています。 

ジュブレ・シャンベルタン村の先駆者として約25年ほど前から有機栽培にも積極的に取り組んでい ます。現在は醸造学校やワイン商業学校を卒業した兄弟ら共同で醸造から販売までを行っています。
醸造はなるべく自然に任せるようなスタイルで、厳しい選果を行うことで品質をコントロールし、伝統的な醸造スタイルを貫いています。

有機栽培のパイオニア

約25年前から有機栽培に取り組む彼らは、まさにジュブレ・シャンベルタン村のパイオニア的な存在となっています。1977年からはリュット・レゾネ(減農薬栽培)、2012年からはビオロジック(有機栽培)、2013年からはビオディナミ(生力学農法)へと転換を遂げています。

自然との共存をコンセプトとし、栽培から醸造の過程において一貫してそれを守っており、ギュイヨ・サンプルの剪定法やリュット・レゾネの採用、また除草剤・防腐剤等の不使用、有機肥料のみを使用した栽培を行うことで人の手が入ることを最小限にし、テロワールを表現することに成功を収めています。

彼らについて、ワインの有名雑誌であるワイン王国の第20号の特集記事では「ビュルゲは伝統と自然を重んじて、自然のサイクルを壊す摘果や過度の剪定は行わず、マセレーションやルモンタージュもしない。新樽比率は50~80%、樽熟成20~24ヶ月でフィルターを軽くかける。いわゆる濃厚化のために用いられるテクニックを使わないが、それでいて骨格のしっかりした非常に息の長い、まともなワインを出しているからそれだけでも特筆ものである」と評されています。

 

アラン・ビュルゲの醸造工程

選果を厳しく行う彼らは、15人の収穫人と15人の選果人によって行われています。まず収穫の際に一度選果し、さらにテーブルで2度目、さらにその後粒ごとに選果、計3回の選果を行っています。

そうして選ばれたブドウは100%除梗し軽く破砕され、自然酵母だけを用いてホーロー仕様のコンクリートのタンクで醗酵させます。その際補酸と補糖は行われません。初期段階での温度調節は行わず、自然に醗酵がはじまるのを待ちます。そうすることでバラつきが生じてゆっくりと発酵し、よりアロマティックなワインとなります。

最高温度32度で14日~20日間発酵、その際ルモンタージュは行わず、最低限のピジャージュのみ行われます。その後アリエ産の樽(新樽比率50~80%)で20~24ヶ月熟成されます。マロラクティック発酵終了後は澱引きして、ビン詰め前にもう1回澱引きを行い、無清澄・無濾過で瓶詰めされています。

ロバート・パーカー氏は彼らの姿勢について「この小規模でまじめに運営されているドメーヌは、ジュヴレに一群のブドウ畑を所有し、最良の村名ワインをつくりだしている。除草剤を使わず収穫量を抑え、選果をテーブルで厳しく行い、清澄処理をせず硫黄、酒石酸も加えない。彼は自分のワインづくりの手法が空気との接触を最小限にしているものであるため、飲む前にデキャントをするようにすすめている」と評価しています。

アラン・ビュルゲのワインの味わい

彼らのワインの特徴は、プラムなど果実香にドライフラワーや紅茶などの熟成香を持つことです。たっぷりとした旨味があり、辛口ながらほんのりと甘みがあり、熟度の高さを感じさせます。アルコールを感じる力強いテイストながら、しなやかさのあるジューシーな味わい。程よいボリューム感がありながら繊細なフィニッシュ。鉄分を含んだ赤土に由来するテロワールが表現されています。

マスター・オブ・ワインの称号を持つセレナ・サトクリフ女史曰く「偉大とまでは言えないが、とても優秀な作り手といえる。収穫年によるが、10年、20年あるいは40年の熟成に耐える味である」と述べており、またフランスで最も信頼されているワインガイドブックの『ル・クラスマン』は、「アラン・ビュルゲはジュヴレ・シャンベルタンにあの懐かしい味を取り戻させた功労者の1人である。このドメーヌのワインは丹念な栽培と量を抑えた収穫の賜物で、自然な味わいがあり、品位もある」と評価。

 

ジュヴレ・シャンベルタン・メ・ファヴォリット

彼らが作るワインの中でも特にアランが気に入った畑の区画に植えられた古樹のブレンドワインであるジュヴレ・シャンベルタン・メ・ファヴォリットは、まさに彼の表現したいことのすべてが詰まっているワインだと評価されています。

ワイン評論家のジャスパー・モリス氏は、「メ・ファヴォリットは、アランが成し得ようとすることの精髄である。口に含むと、ミネラルの核のまわり、つややかな果実がたっぷりと感じられる。とても複雑なワインで、収穫から6〜10年後に最良の姿となる」と評しています。

 

 

www.cheers-winebeer.club

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