金曜の夜は酒を飲みに行く人も多いだろう。次の日がお休みならば、ついつい羽目を外して飲んでしまうかもしれない。そして楽しい飲み会も終わり、いざ次の日が来ると……
アタマイタイ。ダルイ。キモチワルイ。
なんて経験があるだろう。勿論、節度を持って楽しく飲むことが一番だが、そうはいっても二日酔いしちゃうものだ。
ということで今回は、二日酔いについての記事をしたためることにする。
- ウコン:お酒好きの味方
- シジミとアサリ:肝臓に優しい味噌汁
- 味噌汁で飲むのが良い理由
- トマトジュース:二日酔い対策の定番
- はちみつ:甘さの中に隠れた力
- 梅干し:胃に優しいおつまみ
- 二日酔い対策のまとめ
ウコン:お酒好きの味方
言わずと知れた酒飲みのパートナー、ウコン。
ウコンに含まれているクルクミンは、黄色の色素成分でポリフェノールの一種。
肝機能の活性化や、解毒機能のある、胆汁の分泌を促進してくれる。その他にも抗炎症効果やコレステロール値の低下までしてくれるとか。サプリ飲んでる人がいるのはこういうことか。色々な健康効果があるようである。知らんかった。
ウコンはインド原産の植物で、アーユルヴェーダ(インド伝統医学)でも数千年にわたり薬草として使われてきたという。日本でも江戸時代から胃薬や肝臓の健康のために取り入れられていたとか。カレーのスパイスにも使われることから、もしかしたら日常的に摂取している人も多いのかもしれない。
いつ飲むか迷う!飲酒前と飲酒後
私自身は、飲酒前に飲んだ方がなんとなく良いと聞いたことがあり、ウコンドリンクを飲酒前にぐいっといく。いや、なんとなくじゃなくてさ。これ実際どうなんだ?
ちなみに、一般に売られているウコンドリンクは、飲酒前に飲むことを勧めているものが多いみたいだ。
そうすることで肝機能を上げ、胆汁の分泌も良くなるらしい。これならお酒を飲みつつ、あのにっくき毒素アセトアルデヒドを分解して出してくれるというわけだ。
ただし、飲酒後にウコンを飲んだ場合にも、毒素排出に加えて胃腸の調子を整えてくれる作用があるので良いということだそう。
つまり、どっちにもメリットはあるんだな。(だからといって飲酒前も飲酒後も飲もうという気にはならんというのが正直な気持ちだが。)
シジミとアサリ:肝臓に優しい味噌汁
言わずと知れているかもしれないが、シジミやアサリには、肝臓をサポートする成分が豊富に含まれている。特にシジミに含まれる「オルニチン」は、肝臓の解毒作用を高めて二日酔いを軽減してくれ、また、アサリに含まれる「タウリン」も肝機能を向上させ、アルコール分解を助けてくれる。
シジミ
シジミの名産地といえば、島根県の宍道湖が有名だ。「蜆汁(しじみじる)」として江戸時代から解毒作用があるとされ、特に飲みすぎた翌朝に好まれていたという。昔の人々も同じように二日酔い対策にシジミを取り入れていたと考えると、なんだか親しみを感じる。
「オルニチン」というアミノ酸がやはり働きもので、アンモニアが解毒され、肝臓が本来の機能を取り戻し、倦怠感を伴う二日酔いの症状を楽にしてくれる。その他含まれるアラニンやグルタミンの成分はアルコールの代謝を促し、肝臓の働きをサポートするメチオニンや解毒作用を高めてくれるタウリン、肝臓を活性化させるグリコーゲンも含まれるという、何とも頼りがいのある肝臓守り隊なのだ。
アサリ
あさりにもタウリンが含まれる。タウリンには肝機能の向上や、アルコールの分解を促進させる作用もある。
体内に取り込んだ海水を長期間保持できるため、短期間の陸上生活も可能。そのため、スーパーで売られているアサリも、砂抜きの際にしっかり砂を吐き出す力がありのだ。また、アサリの外套膜には「黒い線」が見られることがありますが、これはアサリが育ってきた環境や年齢を知る手がかりになると言われています。なんにせよ、アサリシジミコンビって最強じゃんね。
味噌汁で飲むのが良い理由
最近はよく自販機にシジミの味噌汁が売られてるのを見かける。酔っぱらいのときはついつい水買っちゃうけど。
味噌に含まれる「コリン」は、肝臓の脂肪を分解するのを助け、肝機能の回復をサポートしてくれる。また、シジミやアサリに含まれる「タウリン」は水溶性で、煮汁ごと食べられる味噌汁ならばその効果を余すことなく取り入れることができるのだ。
さらに、温かい味噌汁を飲むことで体が温まり、血行が促進されるため、アルコールで冷えた体を内側から温めてくれる。冷えが取れると、体調が回復しやすくなるというメリットもあるので、味噌汁で取り入れるというのは合理的でもあるのだ。
トマトジュース:二日酔い対策の定番
トマトは南米のアンデス山脈が原産地とされていて、初めは観賞用植物としてヨーロッパに持ち込まれたが、食用として広まったのは18世紀頃から。日本にトマトが伝来したのは江戸時代で、実は当初は観賞用とされていたらしい。そこからアルコール対策として効果があると発見した人、凄すぎる……笑。
さて、トマトジュースに含まれる「リコピン」には、アセトアルデヒドの作用を抑える働きがある。また、解毒作用のある「グルタチオン」や利尿作用のある「カリウム」も豊富で、体内のアルコールを早く排出するのに役立つ。
ウォッカベースのブラッディメアリー、ビールベースのレッドアイ等のカクテルが親しまれるのは、こういった作用があると言い伝えられているかららしい。先人の知識ってすごいな。
はちみつ:甘さの中に隠れた力
以前はちみつ記事を書いたが、実は二日酔いにも効くというはちみつ。
はちみつには、アルコールの分解を助ける「果糖」がたっぷりと含まれている。スプーン1杯程度のはちみつでも、二日酔いに充分な効果があるらしい。これは私も知らなんだ。お酒を飲む前後に少し摂取するだけでも、翌朝が違ってくるかもしれない。
古代エジプトでは、はちみつは「神々の食べ物」とされ、傷の消毒や保存食として使われていたそうだ。中でも「マヌカハニー」は抗菌作用が高く、のどの痛みや胃腸の不調にも効果があると言われている。
美容にもいいし健康にもいいし二日酔いにもバッチリなんて、はちみつは本当に万能選手だ。
梅干し:胃に優しいおつまみ
梅干サワーが大好きな私。これは父親の影響で、二人で飲んでいるときにやけに美味そうだったので頼んだら、見事にはまってしまった。
梅干しには胃の粘膜を保護する効果があり、お酒を飲む前に食べることで、アルコールの刺激を和らげてくれ、飲んだ後は荒れた胃の回復をサポートしてくれるのだ。
梅干しの酸味のもとは「クエン酸」。クエン酸には疲労回復効果があると言われ、古くから労働の合間に梅干しを食べて体力を回復させていた。戦国時代には、武将たちが梅干しを携帯食として持ち歩き、遠征先でも体調を整えていたというエピソードもあるほど。
おにぎりの具も梅干しは定番だし、いわば梅干はオカンのような存在なのかもしれない……。
二日酔い対策のまとめ
ウコン、シジミ、アサリ、トマトジュース、はちみつ、梅干し…。どれも肝臓や胃腸をサポートしてくれる頼もしい味方だ。もちろん、全部を一度に摂取する必要はないが、シーンに応じて自分に合った対策を選んでも良いかもしれない。
例えば、飲酒後には温かいシジミ味噌汁やはちみつ入りのお湯を、翌朝にはトマトジュースを飲むなど、少しの工夫で二日酔いを乗り切れるかもしれない。