昨今ヤマト運輸の人手不足による「料金値上げ」や「時間帯指定の指定時間枠の変更」について色々ささやかれているが、ワインを通販で買うときは、「クール便」がいいのか?というと、一概にそうと言えないのかもしれない!という議論が、ワインを通販で買う傾向のある人々の間では後を絶たない。
ということで今回は、ワイン×運送会社についてのお話。
ワインの保存に適した温度
ワインの保存は大体15℃くらいが適温と言われている。
私は妹が誕生日に買ってくれたワインセラーがあるので、かんたんボタン管理でワインを保存している。まあ、私はすぐに飲んでしまうので妹によく怒られるのだが。
ちなみに、もしワインセラーがない場合には新聞紙ぐるぐる巻きにして口を輪ゴムでしばって、野菜室にいれるのが良い。 私も昔よくワインに新聞紙を巻いたものだ。
そもそも冷蔵便は何℃?
- ヤマト運輸 クール宅急便 0~10℃
- 郵便局 チルドゆうパック 0~10℃
- 佐川急便 飛脚クール便 2℃~10℃
基本的な温度設定はこのように表記されているが、経験上それが本当に事実かというとそうではない。なぜなら……
ワインの積み込み現場を見た
何度か仕事でワインの積み込み作業を見たことがある私。
冷蔵車の荷物取り出し口付近と冷気の吹き出し口付近では明らかに温度差がある上に、混載する場合などは冷蔵庫のドアを長らく開けっ放しにしていたり開け閉めが激しいので正確な温度とはいえない。そもそも開け閉めが激しいということは温度変化も激しいので、ワインにも悪影響を及ぼし、劣化する可能性もある。
運送会社をプロとして信じるに値しない事件
以前にこんなこともあった。
2013年ヤマト運輸の「クール宅急便」の仕分けルールの不徹底問題
「クール宅急便」の温度管理に関する調査結果、および今後の再発防止策について、という題で下記のように表されている。
調査の結果、「各コールドボックス(運搬用の冷凍・冷蔵庫)からの荷物の取り出しを5分以内に完了させる。その後、荷物を車載保冷スペースに積み込むまで、荷物を30秒以上、外気にふれさせない」という仕分けルールが徹底できていなかった拠点が253ヵ所(全体の6.4%)あることがわかりました。
だ、だだ、だめじゃん。
2016年チルドゆうパックの温度管理に不備
チルドゆうパックの温度管理に不備があったのは、神戸市内のある郵便局。中元商戦真っただ中だった7月中旬、保冷バッグ内の温度が規定通りに下がっていないことに気がついた社員が業務用の温度計で荷物の温度を測ったところ、複数の荷物で15.9~20.5度を示した。
く、くく、腐っちゃうじゃん。
まあどちらも仕方ないところはあるにしても、信用の問題はまた別だ。
こんな現実があることは知っておかねばなるまい。
夏場はワインは近所で買え!
夏の暑い時こそ自分で買いに行くには一苦労なのであるが、あまり通販で買うことはお勧めしない。通販で買う場合は劣化を前提で濃厚で安価な赤ワインなどに限定することが良いかもしれない。しかし、もし味の変化が分かりやすい繊細な味のワインを通販で買うなら、しつこいようだが劣化を承知でクール便にすることと、届いてもすぐ寝かしてはいけないということくらいは覚えていてほしい。温度差で液漏れしやすい夏の時期は、とにもかくにも注意がいっぱいである。