右手にはワインを、左手にはビールを。

食の世界に魅せられて。美味しい料理やお酒が好きなアラサーです。 「食のエンターテイメント」を、皆さんと共有出来たら良いなと思います。

なぜ肉専用ワイン「カーニヴォ」は大ヒットしたのか

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皆さんは、赤ワインはお好きだろうか。

ワインが飲める人でも、スパークリングワインや白ワインは飲めるけど、赤ワインはあまり……という方も少なくない。

しかし、そんな方でも知っていたりするような、サントリーのとあるヒット商品がある。

その名も、「肉専用 黒ワイン カーニヴォ」

サントリーのワインの中で爆発的に売れたというこのワイン、いったいどうしてこんなに売れたのだろうか?

今回は、そんな考察についての記事である。

肉専用黒ワイン カーニヴォ

実績

2014年10月から販売開始されたカーニヴォ。

あっという間にAmazonのワイン部門でも一位の実績をつくる。飲食店での取り扱い数も爆発的に上昇し、何万ケースのワインが飛ぶように売れたわけである。

希望小売価格2200円というこのワイン、1000円以下のワインも数多くある中で、このヒットを生み出したというのは、結構、かなり、いやとても凄い話なのである。

ネーミングの奥深さ

では、なぜこんなに売れたのか?言わずもがな、非常にキャッチーな売り文句「肉専用黒ワイン」が一役も二役も買っているのは間違いない。

「肉専用」とうたうことで、そのシーンを想像してもらって、売るのである。

今まで赤ワインには、「肉には合うだろう」みたいなイメージがあったものの、鶏肉?豚肉?牛肉?焼き?煮込み?蒸し?炒め?揚げ?どれがいいの?と品種によって様々で、種類がありすぎて分からなかったというのが現状である。

物事は、単純明快なのが良い。

正直言って、ワインを飲むことに、現状ではそこまでの知識を求められていないと胃って良いだろう。

その点、肉専用という言葉は単純明快。とりあえず、肉なら合うのだから。

 

また、個人的には「黒ワイン」という文言にも注目したい。通常黒ワインとは、

①ルーマニアで、

②黒ワイン専用の葡萄種で、

③ブドウ果汁を絞るときに通常より長く皮を浸けることで味と色を濃くした

ワインのこと。

もちろんこのカーニヴォは、地域も葡萄の種類も作り方も違う。ただ、濃くは作られていて、それが赤ワインの中で黒く見えるほど濃いということである。

でも、あえて「黒ワイン」ということで、赤ワインじゃないのか?という興味や、味が濃いことをすでに想像させている

さらに、2017年にはジンファンデルという品種で作られたワインも新たに販売。ちなみに2014年販売しているのはカベルネ・ソーヴィニヨンだ。

ワインは品種ごとの展開が出来て、味も香りも合う料理も何もかもすべてが異なる。その点では、ブランドとしてどれかの品種がヒットすれば、ほぼ間違いなく他のが出るものである。

後の戦略としては、サントリーは自社の飲食店を中心に展開、そして、他の肉料理を推している店を順々に口説き落としていったというのもある。

今や飲食店は10000店を超える店舗がカーニヴォを扱っているというのだから驚きだ。

まあ、でもこの辺りは大手ならでは、やるべきことをやって、正攻法で勝ち取ったという印象もあるかな。

続々と大手による肉・魚専用ワインが販売

その後、各大手で肉専用または魚専用のワインが発売。

価格も、カーニヴォより安い1000円台前半のものもある。勢いも凄く、昨年は、前年度比を60%超えたメーカーもあるという。

今後のトレンドは、やはりこういった、目的に明確に沿ったものだろう。

こういったワインから、どんどん奥深さをしてもらえると、私もとっても嬉しく思う。